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世帯年収1,800万円の夫婦に訪れた「まさかの危機」
小沢悠太さん(42歳・仮名)は、妻(40歳)との離婚を真剣に考えています。悠太さんは都内の企業に勤めるサラリーマンでウェブマーケティングの仕事をしています。妻もIT系企業に勤務しており、世帯年収は1,800万円にのぼります。悠太さんのほうが収入は多いものの、2人の間には小学3年生になる長男が1人。夫婦仲は悪くなく、外から見れば順風満帆な家庭です。離婚の理由など一見見当たらない――悠太さん自身も数年前まではそう思っていました。
妻の同窓会がきっかけで
転機は、長男が小学校に入った頃に始まった妻の同窓会でした。妻は地方の私立中高一貫の進学校出身で、進学を機に上京し国立大学へ。母校はここ数年で進学実績を伸ばしており、卒業生の母校愛もいっそう強まっています。都内でも頻繁に同窓会が開かれるようになり、妻も積極的に参加するようになりました。
問題は、その集まりに「家族同伴」が暗黙のルールとなっていたこと。悠太さんも当然のように同行することになったのです。
悠太さんは仕事ではクライアント対応も苦になりませんが、プライベートでの人付き合いは苦手。同窓会も「仕事」と割り切ろうとしましたが、集まるのは地元の名士や官公庁、銀行員といった堅い職業の人たちばかり。共通の話題を探すのにも一苦労でした。
あるとき妻の友人から「旦那さんはどんなお仕事を?」と聞かれ、「ウェブマーケティングです」と答えると「ウェブ? マーケティング?」とぽかん。会社名を伝えても「存じ上げなくて……世間知らずで申し訳ございません」と異様に気を遣われ、会話は終了しました。「業界では名の知れた会社だと思っていたけれど、所詮六本木や渋谷界隈の狭い世界で俺はイキってただけなんだな」と、悠太さんは驚くほど落ち込んでしまったのです。
そんな夫を見て妻は「地元の人は昔からのつながりが強いし、堅い職業の人が多いから横文字の職業はピンとこないのよ。私もIT企業って言ってもよくわからないって言われるし……。もう慣れたけど。アッハッハ」と励ましました。
しかし、悠太さんにとっては「気心知れた友人と話すのとは違う。アウェーの場であんな対応をされれば、心が折れる」と恨み言のひとつも出てしまうのでした。
