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次々と発覚する“消失”
しかし、ここに来てさらに新たな問題が判明します。社長がワックス成形の作業場に来てみると、担当の女性社員が血相を変えて何か探し物をしていました。社長がどうしたのかと尋ねたところ、涙目になってこう訴えてきました。
「昨日まで使っていたH機械(得意先)さんの金型がどこにもないんです!」
金型は、得意先に納める製品に合わせて1個ずつ精巧に切削加工と手作業で仕上げられた、いってみれば版画を刷るときの版木のようなもので、これがなければ得意先に納める製品を製造できません。つまり金型は、鋳造メーカーにとって何よりも大切な仕事道具です。もし金型を紛失してしまった場合は、またゼロから金型を起こさなければなりませんが、そのためには数十万円単位の費用と膨大な手間と時間がかかってしまいます。その金型がどこにも見当たらないというのです。
事の重大さに気づいた社長は、ほかの作業場からも社員を呼び寄せ、紛失した金型を改めて探しました。しかし、どこにも見当たりません。それどころか、さらに衝撃の事実が判明しました。保管していた別の得意先の金型もごっそりなくなっていたのです。数にして、およそ100型。会社にとってはとてつもなく大きな打撃です。
事実を知った社長と社員たちの顔が青ざめる中、追い打ちをかけるような新情報がもたらされました。金属溶解炉のコントロールバーなど、主要な機械のメーター類が引き抜かれ、なくなっていたのです。
戸田 拓夫
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