(※写真はイメージです/PIXTA)

実家の相続後、兄弟間で方針が合わず、トラブルに発展するケースが後を絶ちません。特に「売る」「残す」といった意見の対立は深刻化しやすく、感情のもつれが資産管理や税金の負担を複雑にします。共有名義の不動産は放置すればするほど問題が大きくなるため、早期の対話と対応が重要です。

「最終的には『共有物分割請求訴訟』も視野に入れています」

2024年4月から、相続によって不動産を取得した人には相続登記の義務化(罰則あり)がスタート。今後、名義が曖昧なままの不動産は法的トラブルや売却困難を招くリスクが高まります。

 

また、管理不全な空き家に対しては「特定空き家」として行政指導や固定資産税の軽減措置解除(税額が最大6倍になるケースも)などの措置も可能となっています。

 

「兄がどうしても売らないなら、せめて共有状態を解消してほしい。今は弁護士に相談して、最終的には『共有物分割請求訴訟』も視野に入れています」

 

兄弟間の感情と財産が絡む相続では、早い段階での対話や法的整理が重要です。もし交渉が難航した場合でも、「遺産分割調停」や「共有物分割請求」などの法的手段を使うことで、共有状態を解消し、金銭的・精神的な負担から解放される道もあります。

 

松田さんは語ります。

 

「正直、親が元気なうちに、家はどうするのか、兄弟で話しておけばよかったと思います。兄は感情、私は現実で動いていた。そのズレが、最悪の形になってしまった」

 

相続不動産で困ったら…相談先一覧

 

●法テラス(日本司法支援センター)

弁護士相談や法律トラブルに関する情報提供。無料相談制度あり。

 

●市区町村の空き家対策窓口/空き家バンク

管理不全空き家に関する助言や、売却支援を受けられるケースも。

 

●司法書士会/弁護士会

相続登記、遺産分割、共有名義の整理などを専門家がサポート。

 

●家庭裁判所

遺産分割調停や共有物分割訴訟の申立て窓口。

 

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