(※写真はイメージです/PIXTA)

家族間のお金のやりとりは、情が絡むぶん、判断が難しいものです。とくに高齢の親が成人した子どもに金銭援助を続けるケースでは、「老後資金が底をつく」「関係が破綻する」といった深刻な問題に発展することもあります。援助のつもりが、いつの間にか依存を助長していた…、そんな例が後を絶ちません。

「家族だからこそ、言うべきことは言わないと」

『家計調査』(2024年平均)によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は月149,286円。

 

松井さんのように、月13万円の年金がある人でも、突発的な医療費や介護費用、物価高騰の影響などで、家計は常に不安定です。

 

「備えがあっても、ちょっとしたことで崩れます。そこに“親なんだから”と何度も頼られていたら、生活はあっという間に破綻します」

 

「本当は、心配なんです。今ごろどうしているか。苦しいのか。でもね、無理をしてまで助けることが、親の義務だとは思っていません」

 

「情があるからこそ、線を引いたんです。あのままじゃ、親子ともに潰れてしまう。私は老後を、自分の意思で生きたい。だからもう、“家族だから”という言葉に流されたくないんです」

 

老後破綻、親子断絶、経済的搾取。目立たないところで、静かに進む家庭内トラブルが、今、増えています。

 

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