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忍び寄る「アイフレイル」
朝起きて、メガネをかけなくても目の前の景色がくっきり見える。遠くの景色も、手元の小さな文字も、裸眼のままでスッと焦点が合う──そんな毎日を過ごしている今、ふと「あの頃は、確かに“見えないこと”がストレスだった」と思い返します。
化粧品の裏面の細かい説明、歯みがき粉の成分、食品の原材料……。見たいのに見えない、読もうとしてもピントが合わない。それなのに、わざわざメガネを出すのが面倒で、「まぁいいか」と済ませてしまう。そんな小さな“妥協”が、いつの間にか生活の中にあふれていました。
あるとき、エアコンのリモコンを押しても、なぜか部屋が涼しくならないということがありました。今日はよっぽど暑いんだ、としばらく待つも全然涼しくなりません。さすがに「おかしいな?」と老眼鏡をかけて見たら、なんと暖房になっていた──という笑えない経験もあります。また、テレビを見ているときも、リモコンの操作がおぼつかなくなりメガネをかけてボタンを一つずつ確認することが当たり前になっていました。
仕事でもプライベートでも、「ちょっとメガネがないから、あとで確認しよう」と書類やメールを後回しにするようになっていました。こうした些細な“見えにくさ”が、じわじわと日常を覆い始めていたのです。
「年齢のせい」だと思い込んでいた、本当の理由
気づけば、自分で動くことや自分で決めることを、どこかで〝手放し始めていた〟のです。けれど、当時の私はそれを「年齢のせい」「老眼だから」と、当たり前のように思っていました。それが実は「アイフレイル」という老化のサインだと知ったのは、視力を取り戻してからのことでした。
「アイフレイル」とは、加齢による目の機能の衰えにより視覚情報の処理が鈍くなり、行動や判断に影響が出てくる状態のことで、いわば“見えにくさによるフレイル(虚弱)”です。当時の私はまさにその入り口に立っていたのだと、今ならはっきり分かります。周囲を見渡すと、同年代の人たちにも同じような傾向がみられます。遠近両用メガネが手放せない、どこかの距離が見えにくい──その不便さが、自然と行動のスピードや判断力にも影響しているのです。
レストランで「老眼鏡を出すのが面倒だから、みんなと同じでいいや」とメニュー選びを人に任せる。時刻表や地図を読むのをほかの人に頼る。こうした些細な場面の中に、「見ることを人任せにする自分」がいる──その積み重ねが、周囲から“判断を求められない人”として扱われることにもつながってしまうのです。
視力を取り戻した今、私は驚くほどストレスから解放されています。外出先でも、メニューも看板も地図もすぐに確認できる。誰かに頼らず、自分の判断でその場で動ける。「自分で見る」「自分で決める」──たったそれだけのことが、これほどまでに生活の質の向上や気持ちの軽やかさにつながるのかと、あらためて感じています。
老眼治療によって得られるのは、「見える」ようになることだけではありません。“自分で選び、動き、決める”という自律性を取り戻せることが、何よりの恩恵だと思っています。
目の変化に「仕方ない」と思っていた方にこそ、この視界の変化と、それに続く日常の前向きな変化を、ぜひ味わっていただきたいと願っています。
