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術者が患者になった日
ここで、私の白内障手術体験記を紹介します。個人的な体験ですが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
1回目の手術は昼からの予定でした。朝から入浴を済ませ、「今日は手術だ」となんだかふわふわした落ち着かない気持ちでいました。クリニックに着いて受付を済ませると、目薬で散瞳を始めました。だんだん見え方がぼやけてきて瞳孔が開いてくるのが分かりました。浅前房だったのでこの行為で緑内障発作を引き起こさないかずっと心配していたため、私は自分で散瞳することは避けてきましたが、当日は問題なく散瞳できました。スマートフォンの自撮りで瞳孔がしっかり開いていることを確認し、安心しました。
いつも患者さんにしていることを自分がされているのは妙な気持ちでした。刻々と手術の時間が近づいて、いよいよ自分の番になりました。看護師さんに別室に呼ばれ、手術用の上着に着替えて心電図をとるための電極をつけます。
「うわぁ、いよいよだ」
名札とロッカーの鍵を渡され、手術室用の靴に履き替えて帽子をかぶり、手術をするほうの目にガーゼをつけました。
まずフェムトセカンドレーザーを受けます。いよいよ待望のカタリスを体験できる!と感慨にふける暇もなく、カタリスの施術ベッドの上に横たわりました。
フェムトセカンドレーザーを受ける前には、手術する目に、サクションリングと呼ばれる眼球固定器を取り付けます。いつもは患者さんが寝ていて自分が施術する場面が今回は立場が反対です。私の目にリングをつけるとき、先生の顔がどんどん近づいてきてこんなにすごいアップに見えるんだと驚いた瞬間に、リングが目につきました。
その後、瞬時にリングの中に特殊な水が入り、「あ~見えなくなった」と思ったら、私の目はリングを介してレーザー機器であるカタリスとドッキングしました。目の前でチラチラと、赤い光がいろいろな所から出てきて、私の目の計測が始まりました。赤い光はまるでイクラ丼のいくらの粒のように見えました。
メーカーの方にあとで聞いたら、このときは目の形状を計測し、瞳孔の開き具合でどのようにカプスロトミー(水晶体嚢の切開)をするのか、どの深さまで水晶体の核を分割できるかを計測している時間だったそうです。
イクラ丼がおさまったら、今度は緑の線香花火みたいな光がチラチラチラチラと、まるでイクラ丼の上にきざんだ海苔をまき散らされるかのように見えました。メーカーの方には緑の光は見えないはずとあとで言われましたが、実際私には見えました。本当のところはどうなのでしょう?
私のレーザーは40秒かかりました。私の施術はいつも30秒足らずなので切り方が違ったのかもしれません。終わったら何も見えなくて、グレーの世界が始まっていました。両目同時では、なるほどこれでは何も見えないはずです。
レーザーが終わると、手術室に移動します。私の場合、手術しないほうの目は見えているので、緊張しながらも少々強がりながら、平静を装って手術室に入っていきました。
