(※写真はイメージです/PIXTA)

わずか10分で完了する現代の白内障手術ですが、こうした安全な手術が確立されたのは比較的最近のことです。成功率が低く、感染症などのリスクが高い時代が長く続いていた白内障手術は、どのような変遷をたどったのでしょうか。本稿では、高田眞智子氏の著書『眼科医の私が白内障手術を受けて分かったこと』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、「白内障手術」の歴史について詳しく解説します。

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この30年で目覚ましく進化した白内障手術:歴史から現代まで

白内障は、古くから人々を悩ませてきた病気の一つです。原因である水晶体の濁りは、かつて「年齢のせい」と諦められていました。それでも、人々はなんとか視力を取り戻そうと、時代ごとにさまざまな工夫を重ねてきました。

 

ここでは白内障手術の歴史をひもときながら、技術がどのように進化し、患者さんの生活を変えてきたのかをご紹介します。歴史を知ることで、現代の最先端技術がいかに画期的で、安心して治療を受けられるものかを感じていただければ幸いです。

 

命がけの治療から、安全な日帰り手術へ

白内障手術の歴史は、紀元前800年の古代インドにまでさかのぼります。当時は「墜下法」と呼ばれる、針で濁った水晶体を目の奥に押し落とす方法が行われていました。しかし、視力を取り戻せるかは運次第で、非常に危険を伴うものでした。

 

その後、水晶体を取り出す「摘出法」が登場しますが、麻酔や無菌技術がない時代です。感染症のリスクが高く、命に関わる危険と隣り合わせでした。19世紀になって麻酔や無菌技術が発展すると、手術の安全性は飛躍的に向上します。それでも、眼球の後ろに注射を打つ「球後麻酔」で強い痛みを伴い、手術時間は30分以上かかりました。さらに、術後は10日間、砂枕で頭を固定して入院するという、過酷な療養生活が必要でした。

 

そんななか、約50年前に画期的な技術が誕生します。それが「超音波水晶体乳化吸引術」です。この技術革新によって、手術時間は短縮され、患者さんの体への負担も大きく軽減されました。

 

超音波水晶体乳化吸引術の誕生と技術革新

1960年代、アメリカの眼科医チャールズ・ケルマン博士は、歯科用ドリルにヒントを得て、「超音波水晶体乳化吸引術」を考案します。細い管を通して超音波で水晶体を砕きながら吸い取る方法です。これにより、水晶体を丸ごと取り出す必要がなくなり、大きな切開をせずに済むため、体への負担は劇的に減少しました。

 

1967年、ケルマン博士によって初めて手術が成功します。その後も技術は進化を続け、切開サイズは当初の6mmから現在では約2mmにまで縮小し、麻酔も注射ではなく点眼麻酔が主流となり、手術中の痛みもほとんど感じなくなりました。

 

私は研修医時代にこの手術を初めて見たとき、その精密さと美しさに衝撃を受けました。そして、この技を極めたい、その一心で眼科医になると決めました。現在では、コンピューター制御やレーザー技術も取り入れられ、さらに精密で安全な手術が可能になっています。

 

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※本連載は、高田眞智子氏の著書『眼科医の私が白内障手術を受けて分かったこと』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

眼科医の私が白内障手術を受けて分かったこと

眼科医の私が白内障手術を受けて分かったこと

高田 眞智子

幻冬舎メディアコンサルティング

白内障は目の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁り、ものが見えにくくなる疾患です。加齢とともに発症リスクが高まるため誰もがかかる可能性がありますが、現在では濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズ(IOL)を…

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