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実家の 廊下一面を侵食していたのは…
「実家に帰るたびに、そのモノの多さが目に余るんです。私が代わりに片付けるって言っても、機嫌悪くなっちゃって」
そう肩を落とすのは、都内の企業で中間管理職として働く会社員の松本真紀子さん(仮名・52歳)。真紀子さんは、数年前に離婚し、現在は賃貸物件に1人暮らしをしています。
「私の年収は500万円。元夫と暮らしているときは多少のゆとりがありましたが、いまはこの物価高でしょう? 家賃払って、最低限のものを買って、病院に行って、生活はカツカツです…」
一方、母・弘美さん(仮名・78歳)は、20代のころに幼い真紀子さんと兄を連れて離婚。現在は、母方の祖父から相続した地方都市の戸建て住宅に1人で暮らしています。過去には数回の手術歴があり、現在も喘息の持病を抱えるなど、体調は決して万全とはいえません。
昨年は仕事の都合で帰省できなかった真紀子さんにとって、今年のお盆は2年ぶりの実家です。ところがたった2年足を運ばなかっただけで、室内は想像できないほどに荒れ果てていました。
「廊下の両端には荷物が積み上がっていて、ダイニングテーブルもホコリまみれ…。もともとモノを捨てられない人なのですが、それでも、以前は多少整理していたんです。ところが、今年帰ってみて〈これはまずいことになった〉と…」
ショックを受けた真紀子さんでしたが、気を取り直して廊下だけでもどうにかしようと、片付けを開始。しかし、捨てていいもの・悪いものの判別は容易ではありません。
「ねえ、ちょっとお母さん! これいるの? いらないの?」
真紀子さんが大声で尋ねると、弘美さんはあからさまな拒否反応を示しました。
「あんた、何勝手なことしてるの! 触らないでよ!!」
「はぁ? 人がせっかく片付けてあげているのに。ずっとこのままにしておくつもり? せめて廊下ぐらい片付けないと、自分がつまづいて転ぶでしょうが!」
「そんなことしなくて結構よ! 帰ってくるなり、いきなりなんなの!? 具合が悪いお母さんの気持ちなんて、あんたには一生わからないでしょうね!」
ピシャン!
せっかく娘が帰省したというのに、弘美さんは居間の引き戸を力任せに閉め、夕飯の時間を過ぎても出てきませんでした。
真紀子さんは、母の気持ちを尊重したいと言いつつも、持病を抱える母の万が一の事態を考えるたび「早く整理したいのに…!」と焦りといらだちが募ります。
