すでに総額1,270億ドルもの税収に達したトランプ関税。一方、いまだ公約とは程遠い政策に相次ぐ反発の声が…【国際税理士が解説】

すでに総額1,270億ドルもの税収に達したトランプ関税。一方、いまだ公約とは程遠い政策に相次ぐ反発の声が…【国際税理士が解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

トランプ政権が発動した関税は、1,270億ドルもの税収をもたらしたものの、政権が掲げた「年収20万ドル以下は所得税不要」という公約には程遠い結果となりました。さらに、新税制「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」も、宣伝とは裏腹に所得制限や上限が多く、恩恵を受けられる層が限られる結果となっています。こうした関税や税制の実態を追っていくと、米国民の負担構造と、日本との税制度の違いが浮き彫りになります。本記事では、実際にトランプ政権が発動した関税政策について詳しく追って解説します。

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ギャンブル損失の控除ルールも変更されて…全国民が確定申告必須の、日本とはまるで違うアメリカの税法

さらに、ギャンブル損失の控除ルールも変更されました。従来は勝ち額と同額まで(100%)控除可能でしたが、新制度では90%までに縮小。たとえば100万ドル勝ち・100万ドル負けの場合、従来は課税なしだったものが、今後は差額10万ドルに課税される形となったのです。

 

ラスベガスを抱えるネバダ州の議員やプロギャンブラーからは反発の声が上がり、修正案提出の動きもあります。

 

IRS(米国歳入庁)の2022年データによれば、約230万人がギャンブル収入を申告しており、多くが損失控除を利用しています。下院通過時は100%控除だったものが、上院で90%に修正され、再び下院で可決されても戻されなかった経緯がありました。

 

このようにOBBBAは、政権の宣伝とは裏腹に、恩恵を受ける層や金額が限定される制度設計となっています。日本の税制改正が扶養控除やガソリン税など比較的単純な論点に集中しがちなのに対し、このように米国の税制改正は多岐にわたって行われています。これは、多くの国民が年末調整で完結する日本と、全員が確定申告を行う米国とで、税法への向き合い方や知識の差が大きいことが背景にあります。

 

いずれにせよ、日本では過去30年間、富裕層への減税は行われていません。

 

 

税理士法人奥村会計事務所 代表

奥村眞吾

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