今回は、税務調査で「勤務実態のない家族の給与賞与」が問題になった事例を見ていきます。※本連載では、税理士法人鳥山会計代表・鳥山昌則氏の著書、『マル秘・実録 税務署との交渉術』(現代書林)の中から一部を抜粋し、節税・相続対策・不動産投資などに関する、税務署との交渉・対応術を具体例を用いて紹介します。

提出する必要がない税務署への「申述書」

ホームページからのお客様で、役員と家族の給与が問題になったケースです。

 

給与賞与が実態とかけ離れていて高額給与にあたるというのです。奥様に支払った給与賞与は、勤務実態がないということで、税務署は私に依頼する前に会社から「申述書」を出させていたのです。

 

普通、申述書(「しんじゅつしょ」または「もうしのべしょ」)ないし、上申書は税務署長(国)に対して、自分が悪いことをしていたので許してください、という意味合いがあるものです。よって出さない方がよいのですが、最悪出す場合でも、税務調査の最終段階で結果がはっきりしてから書いて出すものなのです。

 

ただし、これを一度税務署へ提出すると、多少〝おまけ〞はしてもらえますが、次の調査までは問題のある会社(個人)という見方をされますので、当然出さない方がよいのです。また、節税により適正な申告をしていれば出す必要もありません。

税務署の調査手法にも大きな問題が…

今回のケースは、調査の真っ最中に提出させられていたのです。内容は詳しく明らかにはできませんが、奥様の給料賞与分は、社長が自分の貯金にしていたという趣旨の言い分でした。

 

ここでの問題点は、次のとおりです。

 

①役員報酬の改訂に関する議事録を一切作ってなかったこと→役人は記録してある文書を好む。

②家族分の賞与を遡って半年分の給与にしていたため、利益調整とみられる。

③家族分の給料賞与を振込みにしないで現金渡しにしていた。

④上記を税理士(老齢)が指摘せず、賞与をむしろ遡って支払うようにした方がよいと、誤って指導していたとのこと→正々堂々と決算賞与にすればよかったのです。

 

私と社長は、事実に基づかない申述書を半強制的に作成させた税務署の調査手法を厳しく問題として調査に臨み、最低限の修正申告で済ませることができました。

 

今後、鳥山会計が同社の税務指導を適正にさせていただくことを税務署に担保した結果です。

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