(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、都市部を中心に高騰する不動産価格と、投機目的で保有される空き家の増加が、地域社会やマンション管理に深刻な影響を与えつつあります。こうしたなか、神戸市をはじめとする自治体や政党が「空室税」の導入を検討し始め、全国的な議論へと発展しています。本稿では、空室税をめぐる行政の動きと政治的な展開、さらにその背景にある外国人による不動産取得の問題や、今後の税制改正の可能性について考察します。

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神戸市が空室税を検討

神戸市では、タワーマンションが投機目的で購入され、住民登録も行われず空室のままとなっている状況が、マンションの管理組合の運営に支障をきたしているとして、新たに「空室税」の導入を検討しています。


マンション所有者の立場としては、管理費や固定資産税を納付している以上、所有する部屋の利用方法は自由であるとの認識があるようですが、共同住宅としての管理上の問題は無視できない側面もあります。


神戸市が空室税を導入した場合、同様にタワーマンション等を抱える他都市もこれに追随する可能性があります。当初、この空室税の議論は地域的な広がりを見せた後に収束すると見られていました。


しかし、2025年7月2日、国民民主党は不動産価格の高騰対策として、「居住を目的としない住宅の取得に対して課税する空室税」の導入を参院選の公約に加えると発表しました。


政党が選挙公約として空室税を掲げた背景には、不動産価格の高騰および外国人による不動産投機の影響があると考えられます。

外国人による不動産取得

かつて、北海道の水源林を中国人が買収しているとの報道がありました。そのほかにも、日本のリゾート地における外国人による不動産取得を規制すべきとの意見があります。
しかし、実際に規制を設ける場合、取得者がダミーの日本人である場合や、法人名義での取得に対してどのように規制するかが問題となります。


日本も1990年代後半の円高の時期には、アメリカ本土やハワイの物件を購入していた過去があります。米国では、一部の州(例:ネブラスカ州)で外国人の土地取得を制限した時期がありましたが、日本人が海外で不動産を購入する際には特に批判はされませんでした。それに対し、外国人が日本の土地を取得することに対しては、若干ながら感情的な反発もあるようです。


一部では、東京都心の高級マンションを中国人が現金で購入しているという話もあります。地下銀行等を通じて資金を調達していると推測されますが、こうした取引を歓迎する不動産業者がいる一方で、マンション価格の高騰に不満を持つ市民も存在します。

空室税ではなく所得税・法人税による規制

空室税は、マンションの管理上、不在所有者による問題に対応するために考案された施策ですが、国民民主党の選挙公約においては、さらに広い視点から不動産投機への対策として位置づけられています。


すなわち、マンション管理上の問題よりも、外国人による不動産投機の規制が主要な論点となっています。


現行の所得税法では、不動産譲渡益は分離課税されており、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」として15%、5年以下の場合は「短期譲渡所得」として30%の税率が適用されます。これに加え、2037年までは復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を併せて納付することとなっています。


この5年の基準を7年に延長したり、短期譲渡所得に対する税率を40%または50%へ引き上げるといった税制改正は、2026年度の税制改正で実現可能かもしれません。


また、現在課税が停止されている土地重課制度についても、解除して復活させる、あるいは一部修正の上で再導入するという選択肢が議論される可能性があります。

 

矢内一好

国際課税研究所首席研究員

 

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