原油価格が大幅に下落したあとの米大型株式のリターンは?
冒頭に述べたとおり、日本時間6月24日には、原油価格が一転して大幅下落となりましたので、今度は原油価格が大幅に下落したあとの米国株式のリターンをみてみましょう。
まずは、米大型株式からです。
[図表3]は、北海ブレント原油価格が1週間で大幅に下落した時点からのS&P500の平均リターンをみたものです。騰落率下位30のサンプルを使用しました。
先ほどと同様、対象期間の全サンプルの平均リターンが、それぞれ5.3%(約6ヵ月後のリターン)、10.8%(約1年後のリターン)ですから、通常を上回るリターンが出ています。
また、約1年後のリターンでみますと、30回中25回でプラスのリターンが記録されています。
原油価格が大幅に下落したあとの米小型株式のリターンは?
小型株式はどうでしょうか。
[図表4]は、北海ブレント原油価格が1週間で大幅に下落した時点からの米大型株式と米小型株式の平均リターンをみたものです。前節と同じく、騰落率下位30のサンプルを使用しました。
米小型株式にフォーカスすると、先ほどと同様、対象期間の全サンプルの平均リターンが、それぞれ5.1%(約6ヵ月後のリターン)、10.2%(約1年後のリターン)ですから、通常を上回るリターンが出ています。
また、約1年後のリターンでみますと、30回中25回でプラスのリターンが記録されています。
米大型株式と比較すると、米小型株式は約1年後の平均リターンで優位です。
最後に、原油価格の大幅上昇後と大幅下落後の平均リターンを比べると、米大型株式は原油価格の大幅上昇後が相対優位で、米小型株式は原油価格の大幅下落後が相対優位です。
以上をまとめると、
・原油価格の大幅上昇後や大幅下落後の米国株式は通常よりも堅調である
・上昇するケースが下落するケースよりも多い
・1年後のリターンでみると、上昇・下落いずれの場合でも米小型株式が相対優位である
ただし、リターンは平均であり、サンプル数も限られるため、油断は禁物です。引き続き、時間と資産の分散を進めつつ、投資は継続しましょう。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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