医科歯科関連における報酬
在宅医療において、歯科の治療を必要とすることは少なくありません。そのため、私たちのグループでは、クリニックによりますが、医科と歯科と、両方の機能を持っているところもあります。
歯科の活躍する場面として、第一に挙げられるのは口腔ケア、口腔健康管理です。看護師や医師だけではなく、歯科医師、歯科衛生士にケアに携わっていただくと、とてもいい成果を得ることができています。
次に挙げられるのが、入れ歯の調整です。入れ歯の状態は、患者さんが食事をしっかりととれるかどうか、という点に深くかかわっており、食事は心身の健康にも直結するため、とても重要な役割だといえます。それ以上の治療となると、訪問歯科の診療にも限界があるため、場合によっては患者さんを通常の歯科医院に連れて行って診療していただく、ということもあります。このように訪問歯科には一般歯科とは異なる役割があり、訪問医科、つまり訪問診療との連携が重要です。
一方で、歯科には医科とは異なる算定ルールがあります。医師の側から歯科に治療の依頼をしたり、ケアのための連携を組んだり、ということも大切ですが、そのうえで歯科にもきちんと適切な診療報酬が入るように意識していく必要があります。
正直なところ、歯科の診療報酬は、医科と比べると、非常に低く設定されています。前述したように私のグループでも医科と歯科、両方の機能を備えたクリニックがありますが、歯科の方の経営状況はかなり厳しく、なかなか黒字化できないのが現状です。
「必要なことだから、赤字でも一生懸命やりましょう」ということで口腔ケアや入れ歯調整をしていますが、なかなか黒字にならない、重要な役割を担っているはずなのに。という実態を考えると、歯科単独でやっているクリニックはなかなか経営が苦しいのではないか、とお節介ながら心配になってしまいます。
口腔ケア、口腔健康管理の重要性が全身の健康維持につながる予防ケアとしても再確認されている昨今、真摯に訪問歯科に取り組む歯科医の方は数多くいらっしゃいます。しかし、黒字化できない状況を考えると、ボランティアのような状況も多いのではないかと思います。本当に頭の下がる思いですが、収益が見込めなければ、診療を持続することは厳しいでしょう。どうにか採算がとれるようにならないか、私自身、模索を続けています。
野末 睦
医師
医療法人 あい友会 理事長
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
