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離婚後の生活に備えるための「お金の見える化」
静子さんのケースでは、年金月12万円とパート収入月6万円の合計18万円。地方で暮らすには十分な金額です。さらに貯金が800万円あれば、月に3万円取り崩しても20年以上生活できます。住居費や医療費を含めても、生活保護水準を下回るリスクは低く、現実的には「離婚しても生きていける」だけの経済的裏付けがあるのです。
しかし、本人がそれに気づいていない、もしくは数値をきちんと把握していないと、「漠然とした不安」が大きな壁になります。
ファイナンシャルプランナーとして私たちができることは、そうした不安を数字で「見える化」し、現実的な判断材料として提供することです。
・年金と収入の総額
・老後生活費の平均
・介護費や住居費の見通し
・手持ち資産の運用可能性
これらを具体的にシミュレーションすることで、「私でも大丈夫かもしれない」と自信を持てる人が増えていきます。
「不自由さ」に対する慣れ
静子さんは最近、こう夫に伝えました。
「これからは自分のために、お金も時間も使っていきたい」
夫は目を丸くして黙り込みましたが、静子さんの決意は揺らぎません。いまは別居を前提にシニア向け住宅を探し始め、地域のFPと老後のライフプランを練り直しているところです。
これまで何十年も「不自由さに慣れていた」自分に気づいた瞬間から、静子さんの人生は変わりはじめました。
同じような思いを抱えている方へ、まずは毎月の支出と収入を記録して整理すること、老後をひとりで生きる試算をシミュレーションすることそして第三者のFPや法律専門家に相談してみることをお勧めします。「私の人生って、こんなもんだ」と諦める前に、一度立ち止まってみてください。人生の主導権は、年齢や環境に関係なく、いまこの瞬間から自分で取り戻すことができます。
波多 勇気
波多FP事務所
代表ファイナンシャルプランナー
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