月40万円、終わりの見えない「ダブル介護費」
介護というと、どこか「親のどちらか一方だけ」というイメージを持ちがちです。ですが、現実には両親共に同時に介護が必要になることもめずらしくありません。高橋さんは、まさにそのケースでした。
「母は日中の見守りと夜間のケアが必要で、父は入浴などの介助が必要。我が家から車で1時間ほどの距離なのですが、私は性格的に介護はとてもできません。弟は海外に住んでいて最初から頼れませんでした。公的施設も探しましたが、すぐには空きが出ず、どれくらい待つかもわからない状況でした」
高橋さんはやむなく民間の有料老人ホームを選ぶことに。2人分合わせて月額費用は約40万円と高額でしたが、背に腹は代えられないと判断したのです。
「もちろん両親の年金だけでは賄えません。親の預貯金でなんとか入居一時金を払い、あとは私の貯金を切り崩して対応しています」
施設費用以外にも医療費、送迎費、オムツ代などのちょっとした出費が積み重なっていきます。介護費の支出は月20万円以上、それだけで年間240万円を超えます。退職金とは別に貯金はありますが、それでも想定外の支出に家計への負担は大きいと感じていると言います。
