レアアースで中国に「泣き」?トランプが“折れる瞬間”を市場は知っている【ストラテジストが解説】

レアアースで中国に「泣き」?トランプが“折れる瞬間”を市場は知っている【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2025年6月6日に公開したレポートを転載したものです。

市場が賭けるTACOトレードはうまくいく

そしてまたTACOについての確信度を深めるニュースが入ってきた。トランプ米大統領は5日、中国の習近平国家主席と貿易問題を巡り電話協議をしたと伝わった。

 

これに先立ち、アメリカ側は、中国がスイスでの貿易協議のあとも合意したはずのレアアースの輸出を遅らせていると主張し、トランプ大統領は、先月末に「中国が合意を破った」と批判していた。一見、米国側が強気の姿勢で中国を非難しているかのようだが、実態は「レアアースがなくて困っています」という泣きを入れているのに等しい。なにしろ、中国は世界のレアアースの7割を握っている。

 

出所:Bloomberg
[図表]世界のレアアースの7割を握る中国 出所:Bloomberg

 

いうまでもなくレアアースは最先端の電子機器に必要な鉱物で、これがないと半導体も自動車も作れない。米国ではすでにフォード[F]が工場停止に追い込まれている。自動車だけではない。レアアースは戦闘機や原子炉制御棒、そのほかの安全保障上の重要技術に不可欠なのである。これを握られてはトランプ氏も中国に譲歩するしかないだろう。

 

結局のところ、市場が賭けるTACOトレードはうまくいく。これが市場の下値不安が払しょくされている背景である。

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

※本記事はマネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏のストラテジーレポート『株式市場の底値不安が払しょくされた背景​​』を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。

 

 

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