(※写真はイメージです/PIXTA)

配偶者の死は、老後の生活設計を根底から揺るがします。「遺族年金」への誤解による収入減と、孤独からくる支出増。この“二重苦”にはまり老後破綻した佐野さん(仮名)の事例から、実情とその問題の対策を探ります。

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5人に1人が直面する死別の現実

厚生労働省が2017年に発表した統計データによると、66歳まで生きる人の割合は約92%、75歳まで生存する割合は約82%です。これは、裏を返せば75歳を迎える前に約18%の人が亡くなっていることを示しており、およそ5人に1人が、いわゆる「老後生活の比較的早い段階」で人生の幕を閉じていることになります。

 

現実問題として、伴侶を失ったあとの生活にもたらされる変化は、多くの人が想像する以上に甚大です。国立社会保障・人口問題研究所の「高齢者の生活と意識に関する調査」によれば、配偶者との死別を経験した高齢者のうち約3割が、生活費のやりくりや日々の家事、さらには精神的な拠り所の確保といった面で、深刻な困難に直面したと答えています。とりわけ男性の場合、家事スキルが十分でないために食費がかさんだり、孤独感から外部との交流を活発に求めたりする傾向が顕著で、それが結果として支出増につながる事例も少なくありません。

 

たとえ夫婦共働きで、2人分の年金収入によってゆとりのある老後を想定していたとしても、今回の将之さんのように、夫婦の一方が比較的若い年齢で亡くなった場合、こうした経済的な問題が潜んでいる可能性があるのです。

 

とりわけ公的年金制度は仕組みが複雑なため、周囲の人々から「遺族年金を受け取っている」といった話を聞きかじっただけで、自分も当然もらえるものと早合点してしまう傾向があります。年金事務所などで正確な情報を知ることが重要です。

 

自身が将来的に受給できる公的年金の正確な情報を把握し、夫婦のどちらかに不測の事態が発生した場合に家計がどう変動するのか、具体的なシミュレーションを行っておくことが、盤石な老後を送るための重要な備えといえるでしょう。

 

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