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76歳母が見せた“1通の封筒”
「これ、なんだと思う?」
佐藤弘子さん(仮名/76歳)が、娘の真理さん(仮名/48歳)にそっと差し出したのは、年金機構から届いた緑色の封筒。「年金生活者支援給付金請求書」との記載がありました。
封を開いた真理さんは目を疑います。申請書の提出期限が、すでに1ヵ月前に過ぎていたのです。
弘子さんは、地方でひとり暮らしをしています。月の年金はおよそ6万1,000円。若いころからパートを掛け持ちしながら生計を立ててきましたが、厚生年金には加入しておらず、いまは国民年金のみ。持ち家はあるものの、生活はぎりぎりの自転車操業。固定資産税や医療費、ガス代……どれも地味に家計を圧迫しています。
「冷蔵庫が壊れたときは、さすがに泣いたわね。貯金なんて、もう残ってないし」
そう話す弘子さんに、娘の真理さんは月3万円を仕送りしています。しかし、真理さんの家庭も余裕があるわけではありません。高校生の息子の教育費、夫の収入も年々伸び悩み、ボーナスもカットされがち。そんな状況で、もらえるはずの給付金を「知らなかった」というだけで失った事実は、あまりにも重く響きました。
自動では受け取れない…制度の“わかりにくさ”
実は、この「年金生活者支援給付金」は、老齢基礎年金を受けている人のうち、一定の所得以下の人を対象に、月5,000円程度(※2025年時点)を追加で支給する制度です(実際の支給額は保険料納付済期間や免除期間等に応じて個別に算出されます) 。
ところがこの制度、「年金と一緒に自動でもらえる」と誤解している人が非常に多いのが実情です。
実際には、支給対象者に対して「請求書」が送付され、その用紙に必要事項を記入して返送しなければ、1円たりとも受け取れません。しかも、この請求には期限があり、一度逃すと“さかのぼれる期間は限定的”という落とし穴まで存在します。
弘子さんのように、文書を細かく確認していない高齢者にとっては、「なにか届いたけど、よくわからなかった」という一言で、月数千円を何年も取りこぼす現実があるのです。
ファイナンシャルプランナーである筆者からみても、非常に惜しい制度設計です。たとえば、申請期限の明記や電話でのフォロー、簡易なWeb申請の導入など、申請を促す工夫はほとんどなされていないのが現状でしょう。
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