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当選通知がもたらした希望と、老後資金の現実
関根雄一さん(仮名/75歳)と、妻の久美さん(仮名/73歳)にとって、市営住宅の幸運の切符のように思えました。
2人の年金は合わせて月13万2,000円。家賃7万円の賃貸アパートで暮らしていたため、医療費や食費を差し引くと毎月2万円ほど赤字が続き、リタイア時に380万円だった貯金額は目にみえて減っていました。老後30年という時間を考えると、このままでは資金が尽きることは明らか。
そんなある日、久美さんが郵便受けから一通の封筒を取り出し、震える声で叫びました。
「あなた! 市営住宅に当選しました!」
雄一さんは家計簿の横に自作したライフプラン表を描きながら、家賃は現在の3分の1以下。「これで月5万円の余裕が生まれる」と胸をなでおろしました。2人は老後の暮らしが安定すると信じて疑わなかったのです。
家賃は2万円台なのに…引っ越し前より増える支出
しかし、新生活は2人の予想と違う方向へ進みはじめます。新居は5階建てですが、エレベーターがありません。買い物袋を抱えて階段を上り下りするうちに久美さんは膝を痛めてしまいました。整形外科への通院が月2回に増え、医療費は年間で5万円以上増加してしまいます。
さらに、市営住宅の周囲は坂道が多く、スーパーまで15分ほど歩く必要があります。以前は徒歩5分だった買い物も、いまではタクシー利用が増え、交通費が月8,000円近く跳ね上がりました。
家賃が下がったはずなのに、生活コストの総額はむしろ上がっていく……。雄一さんは家計簿をみつめ、首を傾げました。
「家賃が下がったのに、なんで前より出費が増えてるんだろうな」
久美さんが答えます。
「生活が苦しくなると、出費は自然と増えていくものなのね」
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