日経平均とTOPIX株価トレンドの違いは業績予想の堅調さ
TOPIXのチャートはさらに良好だ。2024年夏の暴落以降、8月末からの動きをみると、緩やかだが高値切り上げ型のトレンドを維持している。3月下旬につけた直近の高値、2,821ポイントまであと10ポイント足らず。これを抜ければ一段と高値切り上げ型の基調が強まる。
日経平均が2024年秋のもみ合いレンジにまだ達していないのに比べて、TOPIXの強さが目立つ。この違いは業績予想の堅調さの違いである。
日経平均とTOPIXの予想EPS(1株当たり純利益)を2024年10月1日を100として比べると、日経平均のEPSは2月をピークに下降トレンドを脱しきれていないのに対して、TOPIXのそれはほぼ最高値まで戻り、昨秋よりも上の位置にある。
株価トレンドの違いは、素直に業績を反映している。
日経平均が半導体の値嵩株の影響を受けるのに対して、TOPIXは銀行の好業績をはじめとする内需セクターの強さが、自動車の大幅減益を相殺してなお余りあるということであろう。
超長期の金利が注目されているが、これは別の機会にコメントする。指標性のある10年国債利回りは高止まりしているものの、一段高とはなっていない。
TOPIXの予想EPSを現在の10年債利回り+5%のリスクプレミアムで割り引くと、2,780ポイントである。現在のTOPIXの水準はおおむねフェアバリューにあるといえる。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
※本記事はマネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏のストラテジーレポート『フェアバリューにあるTOPIXの強さ』を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】



