あなたも老害恐怖症?
「老害扱いされてるんじゃないか」
そんな不安にとりつかれている人は珍しくありません。結果、必要以上に若い世代に迎合したり、へりくだりすぎたりする人が非常に多いのです。でも本当の「老害」にあたる人なんて、全体の一割程度に過ぎないのではないでしょうか。
そもそも職場でへりくだりすぎると、仕事がうまく進まないことがあります。ですから、老害恐怖症なんてうまく手放していきましょう。
「たとえ老害と言われても、業務を遂行して職責を果たしているんだから、なんの問題もないじゃないか」
そんなマインドセットに切り替えてみませんか。そもそも「老害」という言葉の意味がゆがめられている気がします。
老害とは本来、硬直した考え方の高齢者が指導的立場に居座り続けることを指す言葉です。無理やり人を動かそうとしたり、影響力を発動させようとするから老害と糾弾されるわけです。
昨今は老害認定されるハードルが異常に低くなっています。極端なことを言うと「高齢者であるだけで老害」と言わんばかりの圧すら感じます。
実際、いきいきとした老後の生活を阻もうとする若い世代の理不尽な言動にたびたび接します。たとえば「年寄りの話は説教ばかりで腹が立つ」「年金暮らしのくせに贅沢するなんて」「年寄りがレジで会計をすると、もたついて迷惑だ」……。
ここまではっきりした言葉になっていないかもしれませんが、そんな世間の空気をしばしば感じます。だから「若い人から老害と呼ばれないようにしないと」と、高齢者が萎縮してしまうわけです。つまり老害という「レッテル貼り」の多くは、高齢者への同調圧力なのです。

