(写真はイメージです/PIXTA)

エグゼクティブが転職活動をするときにできることはたくさんありますが、「誰でもやればできる加点法」を知っておくことで、成功率をぐっと上げることができます。今回はエグゼクティブ転職の専門家・井上和幸氏が、転職で加点を稼ぐ3つの行動について詳しく解説していきます。

具体的・論理的・人間味あるFBコメント力は、活躍できるリーダー人材の証

必ず加点を稼げる3つの行動、その2は「詳細なフィードバック(FB)」です。

 

面接終了後、皆さんはどのようなFB連絡をエージェントに入れているでしょうか。本日の面接はどのような内容であったか。あなたはどう思ったのか。相手はどのようにあなたのことを受け取ったと、あなたは感じているか。本日の面接を受けて、あなたはこの会社・案件についてどう思っているのか——。これらのことを、具体的にFBしているでしょうか?

 

的確なFBコメントを書けること=あなたが幹部として期待できる人であることの証明になります。ですから、あなたの判断・意向、今後確認したいことなどについて、しっかり書いて(あるいは電話で)FBしましょう。

 

具体的・論理的かつ誠実なFBをする人は応募先企業からも高く評価されやすく、選考過程でも一歩リードできます。実際、力量のあるエージェントは、あなたのFBコメントからもその人となりをしっかりアセスメントしています。

 

面接終了後のコメントとして「よかったです」しか返さない(返せない)場合、エージェントや応募先企業は、あなたが着任後に本当にレベルの高いコミュニケーションをリーダーとして取ってくれるのか、不安を覚えます。

 

言語能力、言語化力については、あまり表立って言われることはありませんが、少なくとも幹部クラスでの転職においては、非常に重要な要素となっています。

 

以前、職務経歴書の書き方についてもご紹介したことがありますが、同様に、面接後のFBに関する表現力・記述力は、それ自体があなたの採用可否を大きく左右する要素であることを、ぜひご認識いただければと思います。

本音のすり合わせこそが、良縁を引き寄せる

必ず加点を稼げる3つの行動、その3は「本音」です。

 

応募先の話について、実際のところ、どう思っているのか。皆さん、「どこまで伝えてよいものか」「エージェントには言うべきか」「現段階で、明確な気持ちを伝えるのは、まだ応募中の各社の結果もわからないなかでリスクではないか」。そのようなことを一度は思い、悩んだご経験があるのではないでしょうか。私自身も折々、転職ご支援中の皆さんから選考プロセスの合間に質問、相談を受けます。

 

このことについては、私見が少し色濃いかもしれませんが、結論としては常に具体的に、本音の所感・判断をエージェントに伝えたほうがよいと思います。面接のステップごとに、「いまの気持ちとしては、こう思っている」「いま進めている案件としては、このような優先順位で考えている」「今回の面接を受けて、気持ちが上がった or 下がった」など、<いま、どう思っているか>をしっかり共有していくほうが、あなたが希望する新天地へのご縁の確率は高まります。

 

誰にも角が立たないような曖昧な返事ばかりしていると、あなたの理想の転職先がどこなのか自体が曖昧になってきます。一方で、しっかり判断、優先順位づけを行うことで、自身の志向や仕事上の優先順位がより明確になります。本音ですり合わせることで、応募先があなたを採用したいと思っているときに、双方歩み寄れる条件の調整(役割、年収など)を行うことができる……こういったようなことが、実際にあるからです。

 

そもそも応募先企業すべてに「御社が第一志望です」と回答するようなことは避けたいもの。こういう人は、信頼できるエグゼクティブであるとは見なされないものです。本当に第一希望と思っている案件に対してのみ、そう答えましょう。

 

転職活動=あなたの仕事観や働き方の映し鏡

「一事が万事」。これら3つの行動を取れるエグゼクティブは、平素から仕事力がある人ですし、信頼できる人です。



転職活動は、あなたの日頃の仕事に対する姿勢や仕事力の映し鏡。そのような観点からも、身を引き締めて、なによりもあなたらしくエージェントや応募先企業と接することで、あなたに見合った良縁は必ずやってくるでしょう。

 

 

井上 和幸
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO

 

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