突然変わった「死後の希望」
義母はもともと、「亡き夫のお墓に入りたい」と話していたそうです。しかし1年後、突然「やっぱり私は、海に散骨して」といいだします。理由を聞いても、「そのほうが自然に還れていいから」「宗教の先生がそういったから」と曖昧な回答しか返ってきません。信仰は生き方だけでなく、“死に方”まで変える力があるようです。麻衣子さん夫婦は、義母の言葉にただ戸惑うしかありませんでした。
宗教や信仰そのものを否定するつもりはありません。むしろ、心の支えとなり、人生を前向きに生きる力になるのであれば、それはとても尊いものかもしれません。
しかしその信仰が、誰かに強制されることで、家族との対話を断つ手段になってしまったら? 信仰が人生の中心になることはあっても、家族の思いとバランスを取る意識がなければ、やがて信仰は孤立を生む要因となってしまいます。
特に高齢になると、寂しさや不安を埋めるために信仰に依存する傾向が強まり、お金や相続が絡んだとき、家族の関係に深い傷を残すこともあるのです。
相続や老後の“心の備え”は、家族で話すことから
麻衣子さんの相談から学ぶべきは、死後の遺志を元気なうちに家族で話し合っておくことの重要性です。
・お墓・供養の方法
・宗教へのスタンスや考え方
どれもデリケートな話題ですが、避け続けた先には「誤解」や「断絶」が待っています。相続はお金の話であると同時に、家族関係や感情、そして価値観がぶつかる局面でもあります。「家族の絆」を守るためにこそ、信仰を含めた話題も含めて、家族の中で言葉にする勇気を持ってほしいと感じています。
もし、あなたのご家庭にも「向き合いづらいこと」があるなら、早めに専門家の力を借りるのも、家族の絆を守るひとつの方法です。備えとは、モノやお金だけではなく、心の準備でもあります。その一歩が、いざというときの安心につながるでしょう。
森 逸行
ファイナンシャルトレーナーFP事務所
代表
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