ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
決まって「大丈夫」の父
Aさんは姉と二人姉妹。大工として、長年現場の第一線で活躍していた父は、腰痛の悪化を理由に、75歳で引退を決意したようです。母が亡くなった当初は、ほとんど家事をやらない父の一人暮らしに不安を抱いていたAさん。しかし、帰省のたびに意外にも順調そうな父の暮らしぶりをみて、「ごみ屋敷になってなくてよかったね」と、姉と笑い合っていました。
個人事業主だった父の年金は、国民年金部分の老齢基礎年金(月6万円)しかありません。しかしAさんは、生前貯蓄を頑張っていた母の通帳に2,500万円の預金があることを確認済み。父の年金生活を案じていた姉妹でしたが、通帳の預金額から、老後の生活もなんとかなりそうだと話していたことを覚えています。
そう頻繁には帰省できない実家
Aさん姉妹はそれぞれ結婚したあと、都内で暮らしています。実家は隣の県ですが、Aさんは無免許、姉はペーパードライバーのため、実家に帰る際の移動手段は主に電車とバスです。しかし電車では乗り換え等で2時間かかるため、帰省は年に1、2回程度。普段はSNSや電話で連絡をとりあっていますが、「お父さん、ちゃんとご飯食べている? 体調は大丈夫?」とAさんが聞いても、父は決まってひと言「大丈夫」と返すだけです。
子どもの受験が無事に終わったAさんは、報告を兼ね、久しぶりに帰省しました。家の中はいつもどおり変わりなく、なにごともないようにみえます。しかし、Aさんは父の様子にどこか違和感を覚えました。

