「嘘だろ、真面目に働いてきたのに…」老後計画崩壊に愕然
小池さん(仮名・56歳)は、地方在住で新卒で入社して以来、一貫して同じ中小企業に勤めてきた生え抜きの社員です。派手な活躍こそなかったものの、与えられた仕事には誠実に向き合い、部下や取引先との関係にも常に気を配ってきました。
この会社には今なお年功序列の風土が残っており、特別な成果がなくても、勤続年数や年齢に応じて自然と役職や給与が上がっていく文化がありました。
小池さんもそうして部長職に就き、年収は1,000万円を超えていました。家庭では娘を中学から私立に通わせ、専業主婦の妻とともに広いマンションで暮らす。そんな、いわば“勝ち組”の人生を歩んでいたのです。
ところが、ある日、事態は大きく変わります。ニュースなどでも流れるほどの大きな不祥事が発生し、経営陣が一新。新社長就任と共に「役職定年制導入」が告知されたのです。
それは、驚愕の内容でした。55歳以上の役職者は一律で役職定年とし、一般社員として業務にあたること。役職手当もなくなり、賞与や退職金についても、新給与を基に再計算されるというのです。
そして追い打ちをかけるように、上層部との面談で知らされたのは、「業務評価による更なる給与見直し」でした。
小池さんは言葉を失いました。年功で昇進した自覚があるとはいえ、真面目に会社に尽くしてきた自負はありました。ですが、目立った成果やスキルはなく、社内評価は決して高くなかったのです。
結果として、年収は600万円を下回る見通しに。住宅ローン、私立校に通う娘の学費、そして老後資金。すべては「これからもらえるはずの収入」をもとに設計されていました。準備していたはずの人生設計が、一夜にして崩れ去ったのです。
「ずっと真面目に働いてきたのに、最後にこんな仕打ちを受けるなんて」
怒りで涙目になりながらも、小池さんの心には一抹の後悔がありました。年功序列に安住し、スキルや人脈づくりに本気で取り組んでこなかったこと。他の会社で通用する自信もなく、転職という選択肢も考えられません。
小池さんはいま、妻にも娘にも真実を打ち明けられず、肩を落とす日々を送っています。
「60歳になったら収入が下がることはわかっていましたが、まさかこのタイミングで年収が下がるとは思いもしていませんでした。退職金も減るし、本当にどうしたらいいのか。65歳どころか70歳になっても働かなきゃならないでしょうね。お金の使い方も、仕事の仕方も……後悔しています」
出典:令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
