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リーマン・ショック直後の金融危機期に集中的に投資したもの
株式と金(ゴールド)は「逆相関」の関係にあると言われます。
例えば、あなたが資産全体の4分の1を金で保有していたとします。株式市場が突然、大きく暴落した場合でも、金の価格が下落するケースは少ないでしょう。むしろ、安全資産として注目され、価格が上昇する可能性が高い。そうなった場合、株式の損失を、金の値上がり益で相殺することができます。これによってポートフォリオ全体の下落幅を、ある程度抑えることができるかもしれません。
と、ここまでは「守り」の分散投資です。ここからさらに「攻め」に転じることができます。値上がりした金を売却し、その資金で、暴落した株式を大量に買い増すというやり方です。そうした「守り」と「攻め」を両立する資産運用を、私は不動産投資で実践した経験があります。
リーマン・ショック直後、私はあえて下落が続いていた不動産に積極的に投資しました。リーマン・ショックは、サブプライムローン(信用力が低く、好条件では融資が受けられない個人を対象とした住宅ローン)問題をきっかけとする金融危機です。そのため不動産市場は、株式市場以上に大きく、そして急速に下落していました。
市場全体がパニック状態に陥った結果、多くの不動産が異常なほど割安な価格で売りに出されていました。まさに「掘り出し物」「お買い得物件」が、街中にあふれかえっているような状況だったのです。
そこで私は、自宅のあるシアトル近郊で、将来的な値上がりが期待できそうな複数の優良物件に集中的に購入しました。その後、リーマン・ショックの影響から徐々に回復するにつれて不動産価格も順調に回復。最終的には高値で売却し、大きな利益を手にすることができたのです。
株式市場の暴落や、世界経済を揺るがす金融危機が起こると、市場全体が極端な悲観論に覆われます。そして、優良企業の株や優良物件までもが不当なまでに安値で売りに出されることがよくあります。
暴落時というバーゲンセールのタイミングでいかに機敏に動けるか。そのために、あらかじめ資産の一部を金などの安全資産に振り向け、暴落に備えておくと良いでしょう。そう考えると、分散投資は単なる「守り」の戦略ではなく、市場の混乱をチャンスに変える「攻め」の戦略でもあるのです。
