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その経営は「ファウンダーモード」か「マネージャーモード」か
投資先の企業を調べる際、私はCEOが「ファウンダーモード」で経営を推進しているのか、それとも「マネージャーモード」で経営の安定化を図っているのか、その経営スタイルも注視しています。
「ファウンダーモード」とは、創業者みずからが企業の成長を力強く牽引していくスタイルです。
一方、「マネージャーモード」とは、いわゆるプロ経営者がMBA(経営学修士)的な経営理論やマネジメント方法を駆使し、企業を安定的かつ効率的に運営していくスタイルといえます。教科書どおりの手堅い経営手法を導入することで、管理体制や財務体質をしっかり固め、着実な成長を図る余地が生まれます。
特にベンチャー企業の初期段階においては、ファウンダーモードならではの「創業者の爆発的な熱量」が、企業の成長を加速させる最も重要なエンジンとなることが多いと感じています。
この創業者ならではの熱量が、常識や固定観念にとらわれない大胆な発想や行動を生み出し、結果としてまったく新しい市場を創造したり、業界の常識を覆すようなイノベーションを実現したりするのです。
ただし、ファウンダーモードで大きく成長し、企業が一定規模まで成長すると、投資家から「プロ経営者を招聘すべきだ」「MBA取得者を外部から登用し、経営体制・管理体制の強化を図るべきだ」といったアドバイスを受けることが多くなります。
ところが、投資家などの要請を受けてマネージャーモードのCEOを登用すると、派手な改革や攻めの施策が影を潜め、誰がやっても同じような無難な経営に移行してしまうリスクがあります。これによって、企業がもともと持っていた独自性や製品やサービスの魅力が薄れ、イノベーションや成長が停滞してしまうケースも珍しくありません。
とはいえ、どちらの経営スタイルにも一長一短があります。ファウンダーモードにこだわりすぎると、ガバナンスや財務管理が適切に機能せず、企業の急拡大に耐えきれなくなるかもしれません。
逆にマネージャーモードに偏りすぎると、組織は安定するものの、挑戦的な施策が打ち出せなくなり、成長のエンジンが止まってしまうかもしれません。
ただし個人的には、「創業者の熱意」が色濃く反映されたファウンダーモードの経営者が率いる企業により大きな可能性と魅力を感じます。特に大化けする企業を見つけるメタトレンド投資の観点から見ても、私はファウンダーモードで、情熱的に事業を推進する企業を応援したくなる気持ちが強いです。
