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不動産相続の恐ろしさ
「不動産の共有」はすべてのケースで通用するわけではないが…
この事例の最大の教訓は、共有が功を奏することもあるという現実だ。一般的には、共有は争いの火種になる。だが今回のように、資産を分散しておいたことが、納税の最後の砦になったという事例もある。
だからこそ、不動産の共有はすべてが「悪」ではない。大切なのは、状況と目的に応じた判断だが、難しい判断となる。
納税確認はどうすればいいのか?
相続税は相続人ごとに申告・納付されるが、ほかの相続人が納税を済ませているかを事前に知る手段はない。税務署も、個別の納税状況をほかの相続人に伝えることはない。つまり、「ほかの相続人は納税したと思い込むこと」ではダメなのだ。
では、一体どうすればよいのか。最も基本的でありながら有効な手段は、相続人間でしっかりと話し合い、お互いの納税状況を確認すること。たとえ法的な拘束力がなくとも、「きちんと納税する」という共通認識を持つこと、そして実際に確認し合うというプロセスを経るだけで、無申告や納税遅延といった事態に対する抑止力となり得る。
相続トラブルは家族を変えてしまう
叔父とは仲がよかった。みんな、そう思っていた。まさか、納税をしていなかったなんて。まさか、あの穏やかな人が怒声を上げるなんて。まさか、実家を売ることになるなんて──。
それでも、それが現実だった。
あの日、せせらぎが流れるカフェで怒号が飛び交ったのは、普段は冷静で理知的な相続人たち。相続という名の“現実”は、感情をむき出しにさせ、人間関係を簡単に壊してしまう。本当は、実家を売るつもりなんて、誰もなかった。残したいという思いがあったからこそ、全員で共有にした。けれど、予想外の「納税していない」という事実がすべてを変えてしまった。
本事例から学べることは以下3つ。
1.相続税の申告と納税は、全員が完了したことを確認し合うことが必要。「みんな当然やっているはず」では、取り返しのつかない連帯責任が発生する。
2.不動産の共有にはリスクがあるが、使い方次第では“救い”になることも。今回のように、共有名義だったからこそ、売却による納税が可能になった。
3.相続とは、家族の“思い出”をどう守るか、という問いでもある。争いを避けるには、早い段階での対話と準備が必要。
感情やお金、法律が交錯する相続の現場では、準備の有無が「家族の未来」を大きく左右する。この教訓があなたの家庭での“まさか”を防ぐ一歩になることを願う。
柏原 健太郎
株式会社TBH不動産 代表取締役
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