休日に外を歩きたくない理由
「『老後のために』といってお金を貯めてきて、今その老後にいるわけですけど。そんなに使い道がないんですよ」
そう、静かにつぶやきます。
お金を使わないことを優先していたこともあり、出かけたり、旅行をしたりといった習慣もない松木さん。年を取ったからといって急に「どこかに行こう」ともならないといいます。
「“経験にお金を使う”っていう発想が、私の人生には抜けていました。海外なんて一度も行ったことがない。一緒に行ける友人がいればいいですが、人付き合いも疎かにしてきたからね。一人ではとても勇気が出ません。今思えば、若い時に行っておけばよかった。写真も思い出も本当に少ないものです」
最近では、土曜日、日曜日、祝日など世間の休日にはできるだけ外出を控えているとも話します。
「人混みが嫌というより、寂しくなるから。前はなんともなかったのに、時間がありすぎるからか、孤独を感じるんです。休日は家族連れが多いでしょう? 公園とかで孫を連れて歩く同年代を見かけると、なんだかモヤモヤする。生き方を間違えたのかなって気持ちになるんですよ。だから外に出るのは平日。なるべく人が少ない時間にしています」
とはいえ、お金がある安心感は確かにあるといいます。
「ここまで貯めなくてもよかったとは思います。でも、お金があるから人に迷惑をかけなくて済む。それで十分と思わないといけませんよね。今の家も気に入っていますが、もう少し年を取ったら売って老人ホームに入るのもいいかなと思っているところです。お金を持って死ねないんだから、もうケチケチせずに使いたい」
――若い頃から貯め続けたお金。老後に辿り着いた今、松木さんの胸に去来するのは、お金では埋められない感情でした。お金は不可欠ですが、時間だけは取り戻せません。
いつまでも元気でアクティブな人もいますが、年を重ねれば体力や好奇心は自然と衰え、結果として出費も減っていきます。
そのため、若い頃から「貯める」と「使う」のバランスを取りつつ、その時にしか味わえない楽しみや経験を重ねていくことが大切なのかもしれません。
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