(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人は、人生の少なくない時間を仕事に費やしているが、必ずしもやりがいを感じているとは限らない。とくにサラリーマンの場合は、仕事内容以上に、組織内での評価や立場が意気込みに大きく影響する。定年後は自由に、自分のやりたいことをしたい――。しかし、それが思い通りにいくとは限らないのだ。実情を見ていく。

〈ママは離婚したいといっています。〉娘からのラインに戦慄

「会社に尽くし続けた人生。これからの時間を、自分のために使いたいと思っただけなんです。妻はいちばんの理解者だと思っていたのに…」

 

がっくりと肩を落とす鈴木さん。しかし、いつの間にか夫婦は違う方向を見ていたようだ。

 

生命保険文化センターが実施した『2022年 生活保障に関する調査』によると、「老後に夫婦でどのように暮らしたいか」という問いに対し、男性の多くが「夫婦で一緒にのんびり過ごしたい」と回答したのに対し、女性では「自分の趣味や自由な時間を楽しみたい」という意見が多くを占めた。

 

また、日本FP協会が実施した『くらしとお金に関する調査2023』では、「老後の暮らし方について夫婦で話し合ったことがない」と答えた人が全体の6割近くにのぼることが明らかになっている。

 

内閣府『令和4年版 男女共同参画白書』では、退職を機に家庭での役割が変化することにストレスを感じる女性が多いことも判明している。「家事の負担が増える」「干渉が増える」「自由が奪われる」といった悩みが挙がっており、まさに鈴木さんの妻・真理さんの心情とも重なる部分が多い。

 

翌週、鈴木さんは早紀さんのマンションを訪ねたが、2人に会うことはかなわなかった。しかし翌日、早紀さんからラインがあり、鈴木さんはその内容に戦慄した。

 

  〈 ママは離婚したいといっています。私もそのほうがいいと思う。 〉

  〈 しばらく連絡しないで 〉

 

「私たち夫婦、もうダメでしょうか…」

「なにかの間違いではと。自分の心が追い付かない…」

 

鈴木さんのファミリーが再びまとまりを見せるのはむずかしそうだ。

 

 

[参考資料]

生命保険文化センター『2022年 生活保障に関する調査』

日本FP協会『2023年 くらしとお金に関する調査』

内閣府『男女共同参画白書(令和4年版)』

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