ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】』
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン (編集)
『データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】』
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン (編集)
富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
1社に20年間投資を続けると…
ここで上場企業の倒産件数を掘り下げておきましょう。まず、37年間の倒産件数は285件となっており、1年あたりの倒産件数は平均7.7件になります。この期間の平均上場企業数は3500社程度になりますので、1社あたりの倒産確率(1年間あたり)は単純平均で0.22%となります。
1社1年間あたりの倒産確率が0.22%と聞くと、少し安心感を覚える方もいるかもしれません。確率的にはとても低いように感じますね。でも、実は、この数字は決して低い数字ではありません。
なぜならば、倒産確率は投資した期間や投資した企業数と比例して上昇していくものなのです。
●1社10年間あたりの倒産確率:2.2%
●10社10年間あたりの倒産確率:22.0%
●20社20年間あたりの倒産確率:88.0%
1社に10年間投資を続ければ、倒産確率は10倍の2.2%になりますし、1社ではなく10社に投資すれば、その中から倒産が発生する確率もまた10倍になります。そして、20社に20年間投資したとすると、20年間で1社でも倒産する確率は88%まで上昇します。
20年という期間には何回か株価暴落が発生していることでしょう。そのときに投資先企業がどういう状況であるのか。場合によっては倒産してしまっている可能性を数字は示しています。
また、規模の大きい企業に投資していても安心することはできません。倒産企業リストには、誰もが名前を知っているような大企業も含まれています。
●山一証券(1997年)
●JAL(2010年)
また、グラフからは倒産件数が特定期間に集中する傾向があることがわかります。特にバブル期の不良債権の問題で金融機関が連鎖破綻した1997~2004年とリーマンショックの2008年以降で急増していますが、そのほかの期間は減少しています。
さて、これらの平均倒産件数や倒産確率は、未来の予測にも適用すべきでしょうか。
