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孫から放たれた無慈悲なひと言
いつもくれるお小遣いをもらえなかった健太くんは「今日はお小遣いないの?」と尋ねました。一郎さんは「もうお小遣いは前みたいにあげられないんだ」と伝えたところ……。
健太くんは何気なく「そうなんだ、じゃあもう来ても意味ないね」といったのです。
子供の悪意ない言葉でしたが、その言葉に一郎さんは大きなショックを受け、つい声を荒げてしまいました。健太くんは驚いた表情を浮かべ、その日以来、よそよそしくなっていきます。10歳だった健太くんはその後、中学生となりクラブ活動も忙しくなり、一郎さんとの距離は開くばかりです。
孫へのお小遣い…習慣化の落とし穴とコミュニケーションの本質
この場合、問題点としては2点あります。
まず、孫の健太くんに対して毎度毎度お小遣いを与えていた点です。毎回与えてしまうとそれが当たり前になってしまうのは当然です。お年玉をあげたり、たまにお小遣いをあげたりすることはもちろんよいでしょう。しかしそれが当たり前になってしまうと、祖父とのコミュニケーションを取ることではなく、お金をもらうことが目的となってしまっても仕方がありません。当たり前にお小遣いがもらえると思わせることは、健太くんのことを本当に思っているとはいえません。
もう一つは、自分の家計を熟慮せずにお小遣いを渡し、預金が目に見えてしまったことで支出をやめるようになるなど、場当たり的なお金の使い方をしていた点です。家計の収支を把握し、使っても問題ない支出量を事前に把握していれば、いきなり預金残高が減ることに恐怖することもなかったでしょう。
年金とインフレ
公的年金は原則、物価に連動し受給額が変動します。「マクロ経済スライド」という物価上昇率に対する公的年金の受給額が抑制される仕組みがあり、老後の収支は徐々に厳しいものになっていきます。
預金だけで持っておくと資産が減るスピードが速くなってしまうことに注意が必要です。インフレに強い株式等の資産を組み合わせて資産を保有することが資産寿命を延ばすために必要となるでしょう。
孫に喜んでもらうため、お小遣いをあげたりディズニーランドに連れて行ってあげたりすることも大事なことですが、自身のお財布事情としっかり向き合うことが第一です。計画的に余裕の範囲に抑える必要があったといえます。

