「こげなもん売れるとかね」「戦時中芋ばっかり食べたけん、もう見たくなか」 爆売れした“干し芋”…作り手の75歳超ばあちゃんたちの本音

「こげなもん売れるとかね」「戦時中芋ばっかり食べたけん、もう見たくなか」 爆売れした“干し芋”…作り手の75歳超ばあちゃんたちの本音
(※画像はイメージです/PIXTA)

福岡県うきは市。人口の約半分が高齢者のこの地で、75歳以上の「ばあちゃん」たちが、最低賃金に近い時給で働き、次々とヒット商品を生み出しているという異例の事態。本稿では、大熊充氏の著書『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』(小学館)より、ブツブツと本音を漏らしながらも、驚くべき知恵と粘り強さで不可能を可能にするばあちゃんたちの奮闘と、その裏にある過疎化が進む山村の現実をみていきます。

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時給992円で働くばあちゃんたち

「うきは市に、75歳以上の高齢者が働く会社を創ろう」

 

「名前は、うきはの宝! ばあちゃんたちの知財を後世につなごう!」

 

2019年10月1日、僕は意気揚々とうきはの宝を創業しました。

 

うきは市は、福岡県と大分県の県境にあり、耳納連山(みのうれんざん)というでっかい山々が連なる麓に広がっています。耳納連山は市民にとって心のお守りのようなシンボル。僕がふるさとに帰ってきた時も、「おかえり」って包み込んでくれる、そんな山です。

 

自然が豊かで、湧き水がおいしくて、生活水もほとんどが井戸水。水と土がいいから昔から果物の生産が盛んで、福岡のフルーツ王国とも呼ばれるうきは市ですが、他の地方都市と同じように過疎化が進んでいます。

 

2024年現在の人口は約27,000人。そのうち36%は65歳以上の高齢者が占めています。うきはの宝の社屋がある山深い妹川地区に絞ってみると、住民の多くが農家で約49.5%が高齢者。しかも圧倒的に女性が多い。もう、絵に描いたような超高齢化の山村です。

 

だけど、うきは市は人の気質も穏やかで、どの地区も昔から隣近所の付き合いがすごくいい。僕が子どもの頃なんて、隣の家に上がり込んでご飯を食べさせてもらったこともしょっちゅうでした。

 

そして、年を取っても元気ハツラツ、昔と同じように世話を焼いてくれるばあちゃんたちがたくさんいます。現在、うきはの宝では75歳以上のばあちゃん、60歳以上のばあちゃんジュニア、僕を含めた40代以下の若手スタッフの総勢18名が働いています。

 

そのほとんどが75歳以上。20代から90代まで、世代を超えたメンバーそれぞれが得意な分野で力を発揮し、協力しながらビジネスを継続させていく。そんな「多世代型協働モデル」のビジネスが僕らのスタイルです。

 

ばあちゃんたちが働くのは、だいたい週に1日から2日。1日につき午前中の3、4時間といったところでしょうか。一人ひとりの予定に合わせて、からだに負担がかからないペースで出勤してもらっています。契約形態にはアルバイトと委託があり、アルバイトの場合は時給992円で計算してお給料を渡しています。(現行の福岡県の最低賃金)

 

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※本連載は、大熊充氏の著書『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』(小学館)より一部を抜粋・再編集したものです。

年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス

年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス

大熊 充

小学館

「ばあちゃんビジネス」で高齢化問題を解決 高齢化が加速度的に進行する福岡県うきは市。 「うきはの宝」は2019年、地域のおばあちゃんたちに「収入」と「生きがい」を提供することを目的に、大熊充氏が設立した。 従…

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