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送迎ボランティアで聞いた、過疎地域に住む高齢者たちの本音
1年8ヵ月で『ジーバー』※が出動した数は数千回! 約200人の地元のじいちゃんやばあちゃんが定期的に利用してくれていました。
「最近、調子はどうですか?」
「移動の他に困ってることはないですか?」
「仕事がない? じゃあ仕事があったら働きたいですか?」
「どんな会社だったら入りたいですか?」
そういうやり取りを地道に続けて、エリアごとに集計も取りました。すると、70歳までは働ける場所がある。でも、75歳から上になると雇ってくれる会社は皆無。75歳以上の高齢者は自営業以外の職には就けないという現状が見えてきました。
働く場所がない。車もない。だから外に出かけなくなった。
「ここ1週間で今日はじめて大熊くんと話をしたわ」
「久しぶりに人と会ったよ」
「うちの近所の〇〇さん、じつは孤独死でね……」
「もう、早く死にたいわ」
そんな胸が締め付けられるような声があっちでもこっちでも聞こえてきました。まだコロナ禍前だったにもかかわらず、みんな家でじーっとして、誰とも話してない。そんな人がめちゃくちゃ多かった。
見えてきたのは「地域の衰退」と「高齢者の孤立」
浮き彫りになったのは、うきは市の高齢者たちの貧困と孤立です。
何しろ市の人口は減る一方。ピーク時から4割減りました。子どもが減って高齢化が進んで、所得なんて全国の低所得水準圏の下から数えた方が早いほど。自然や食べ物が豊かだし、白壁の街並みのような観光財産もあるけれど、観光客が来ても地元にお金は落ちないんですよ。
人口は半減する、収入も少ない。賑わっているお店はあるけれど外から来た企業だったり、外資系だったり。わずかな観光収入もそういう企業が持っていっちゃう。地方の田舎によくあるパターンです。
僕の目にはふるさとがどんどん衰退していっているように見えました。『ジーバー』をやっていた頃は、そんな地元を少しでも良くしたいという気持ちがあったんです。結局、『ジーバー』の活動は1年と8ヵ月、コロナの感染症が拡大する前まで続きました。
