(※画像はイメージです/PIXTA)

年金の「繰上げ・繰下げ」問題は多くの人にとって切実なテーマです。受け取るタイミングによって、生涯にわたる年金額も大きく変わるため、悩ましい問題でもあります。芸人として活動しながら、FP1級を取得した「サバンナ」八木真澄の見解は? 本記事では、八木さんと「東大式FPチャンネル」を運営するほんださんの共著『FP1級取得!サバンナ八木流 お金のガチを教えます』(KADOKAWA)を一部抜粋してお届けします。

健康が一番の投資

いわゆる公的年金には、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人全員が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2種類がありますよね。基本的にどちらも65歳から受給開始ですけど、60歳スタートに繰上げたり、反対に75歳まで繰下げたりできます。

 

厚生年金を繰下げると、配偶者や子を扶養しているときに厚生年金に上乗せされる「加給年金」がもらえないんです。そこは注意が必要ですね。

 

メリットとデメリットを踏まえると、個人的には繰上げも繰下げもしないほうが無難じゃないでしょうか。すぐに年金が必要ないなら、受け取った年金を「繰下げたつもり」で自分で運用するといいと思います。僕なら目標の利回りを4%くらいに設定して、75歳まで運用するつもりです。

 

ところで、年金の受給前に死んでしまうとどうなるか、知ってますか?  年金は2カ月に1回、偶数月の15日にその前月までの2カ月分の年金が支払われます。例えば6月1日に亡くなってしまったら、本来はもらえたはずの4~5月の分が支払われていない状態になってしまいます。この分は「未支給年金」として請求することで遺族が受け取ることができます。もし繰下げ期間中に亡くなってしまった場合は、5年分まで遡って未支給年金を受け取れます。

 

また、配偶者や子など家族の生計を維持していたら、遺族が「遺族年金」を受給できます。しかし、誰も養っていないと、生計を同じくしていた遺族に12万円から32万円の一時金が支払われて終わりです。

 

会社員の場合、社会保険料は勝手に引かれていくので、年金は老後の自分のために投資しているようなものです。55歳の人が年金をもらう前に亡くなったら、いくら損するかを考えてみましょうか。国民年金の保険料を1万6,000円とすると、35年で支払った額は670万円。死亡一時金は32万円なので、630万円以上の大損をしていることになります。

 

以上のことを踏まえると、年金は長生きするほどおトクといえます。健康の秘訣は「ストレスを溜めない」「ご飯をしっかり食べる」「しっかり寝る」の3つ。結局これを守って健康を維持するのが、最も費用対効果の高い投資です。

 

そういうこともあって、僕はストレスを溜めないために自分に期待しすぎないようにしています。スベってもとりあえず美味しいご飯を食べて寝て忘れるようにしています。スベったことを反省していたら、年間の3分の2は反省する必要があるので。終わったことは忘れるに限ります。

ほんだ先生の補足メモ

年金は原則65歳からの受給になりますが、最短で60歳から繰上げ受給ができます。反対に、最長で75歳まで受給開始時期を繰下げることもできます。繰上げた場合、長くもらえるというメリットがありますが、一生減額された状態で、なおかつ国民・厚生年金の両方を同時に受給開始しなければなりません。一方、繰下げをすると、もらい始めるまでは年金以外の資産で生活しなければなりませんが、繰下げた分だけ年金額が増えるという点が魅力です。

繰上げ受給で年金の受給を開始すると、減額率は1カ月あたり0.4%ずつとなり、最短の60歳から受け取ると、24%ダウンとなります。一方、繰下げ受給では、1カ月あたり0.7%、年間で8.4%。75歳になるまで受給を後ろ倒しにすれば、84%と大幅アップも狙えます。繰下げ受給の場合は国民年金と厚生年金をバラバラに受給開始しても大丈夫なので、「国民年金は65歳から受け取って厚生年金は68歳まで繰下げる」といった組み合わせも可能です。

65歳以降も我々は働かされるのか、とネガティブに受け取る人もいるかもしれません。しかし、近年の調査では、働くことは自分の健康にもつながっていることがわかっています。長く働き続けることは年金以外の収入をもたらすだけでなく、長く健康でいられることにつながり、結果的にお金の面でもメリットを生んでいると考えられます。

 

サバンナ 八木 真澄
お笑い芸人、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

ほんださん(本多遼太朗
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

※本連載はサバンナの八木真澄氏と、「東大式FPチャンネル」を運営するほんださん氏による共著『FP1級取得!サバンナ八木流 お金のガチを教えます』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

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