(※写真はイメージです/PIXTA)

人間ドックや健康診断のために病院へ訪れる場合と、すでに身体のどこかに疾病外傷があり診療のために訪れる場合とでは、当然来院者が病院に求めることは異なります。本記事では、前者の場合に焦点を当て「次回の健康診断もまたここに来たい」と思ってもらうための病院づくりの要点を、医療法人社団筑三会筑波胃腸病院理事長であり、消化器外科医の鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、詳しく解説します。

「次回の健康診断もまたここに来たい」と思ってもらうには

一般の受診者が健診センターを訪れる機会は、とても限られています。特定健診や生活習慣病予防健診であれば基本的に年に1回です。

 

その後の保健指導を合わせても、年間で健診センターを利用する回数は片手で数えられるくらいでしょう。全身をくまなく調べる人間ドック以外は、1回あたりの健診や保健指導でかかる時間も数十分から2時間以内くらいです。

 

つまり年に1回、時間にして1~2時間というわずかな時間しか接することがないのが健診センターのスタッフです。この限られた時間で、さまざまなニーズをもつ受診者に予防医療と健康づくりの専門家として信頼され、「次回もまたここに来たい」と思ってもらうにはどうすればいいのか。その答えとなるのが「接遇」です。

 

2021年に健診センターを設置した私たち自身も、開設当初から「理想の接遇」ができたわけではありません。しかし、いろいろと小さな失敗や試行錯誤を繰り返すなかで、健診センターでの接遇は、

 

1.安心感・信頼感

2.気づきと配慮

3.幅広い知識と説明能力

4.状況に応じた柔軟な対応

5.継続的な関係構築

 

の5点の要点にあると考えるようになりました。

 

1の安心感・信頼感というのは、すべての基礎となるものです。健診は治療ではありませんが、受診者はいわば検査のために自分の体を健診スタッフに預けるわけですから、不安を感じる施設、信頼できないと感じる施設で健診を受けたいとは思いません。

 

2の気づきと配慮というのは、受診者が感じる不安や羞恥心などを想像し、細やかな配慮をしていくことです。

 

3については、健診センターの職員は健診制度や内容、費用などについて正確な知識がなければ、検査の間違いやトラブルを引き起こしてしまいます。また受診者から相談や質問を受けたとき、誤解のないように分かりやすく説明をする能力も非常に重要です。

 

4は、急な検査の変更や突発的な事態、クレームなどに対して臨機応変に対応していく力です。

 

5の継続的な関係構築というのは、生活習慣病などの疾病予防や健康づくりは、ある年1年やればよいというものではなく、生涯続けていくべきものです。毎年定期的に健診を受けてもらうことを通じ、継続的に疾病予防や健康増進の支援をしていくことが大切になります。

 

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※本連載は、鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

鈴木 隆二

幻冬舎メディアコンサルティング

著者は自身の医院で健診・検診業務を始めた際に、この考え方を大切にし、医療機関としての専門性を保ちながらもサービス業のような丁寧な対応を目指しました。「接遇」を意識したその姿勢は地域の人たちからも好評を得ており、…

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