検索
医師だけでなく事務方も経営に携わる
病院という組織を経営という観点でとらえると、私の病院クラスの規模の医療法人の理事長の大多数が医師です。しかし、その人たちが経営についての特別なトレーニングを受けたり勉強をしたりして理事長に就任しているということはほとんどありません。
まれに、医師と経営者の二刀流で、どちらも高い水準でこなしている理事長がいますが、ごくわずかだと思います。一方、私のように医師でない立場で就任している理事長も極めて珍しいはずです。
医師が初代の理事長であるケースのほとんどは、その医師が開業者であることによります。2代目以降で就任する場合は医師としてのキャリアや人望、パフォーマンスの高さ、医業収入における貢献度などを評価された結果であることが多いと思います。
つまり、必ずしも経営にたけているから就任しているわけではないともいえるのです。病院でいちばん偉いのは医師だから、病院という組織のトップにも医師が就いて当たり前という考えが暗黙の了解事項として世間一般に浸透していることも否めないと思います。
スポーツの世界では「名選手、必ずしも名監督にあらず」という言葉がありますが、医師として優れていることと、経営者として力を発揮することはまったく別物であるという点において、似ているのではないかとみています。
あくまでも一般論ですが、病院はある意味で華々しいけれども、その裏では借金との闘いを余儀なくされている面があります。理事長が医師である場合、医療の質を向上させるための設備投資に歯止めが利かなくなる場合があります。
たとえば、最新型の画像診断装置を導入したい、ハイブリッド手術室を造りたい、先端的な医療器具をそろえたいといったようなことです。多くの場合、財務状況を考えずに購入したり、投資したりします。おそらく、貸借対照表や損益計算書の数字が思い浮かべられることはありません。
こうした経営感覚がないために、経営が悪化したり、破綻に追い込まれたりするケースは全国的な規模で起きています。この仕事に携わっていると、医師が経営しているよりも、力のある事務方が経営しているほうが銀行から財務的に評価されるケースが多いと感じています。
また医師に比べて、事務方は人事をフラットに見ることができる立場にあると思います。人事考課制度のあり方も含め、事務方でなければ考えつかないようなスタンスを大切にしながら経営の質を高めていきたいと考えています。
盛 牧生
社会医療法人ピエタ会 石狩病院
理事長
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日（木）開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日（土）開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店！
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは？
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか？」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは？」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
