絶対にあの家だけはもらいたくない…母が父亡きあとの相続を断固拒否!自由奔放な伯父が遺した築75年の「ゴミ屋敷」、親族間の闇に葬られた実家の終末

絶対にあの家だけはもらいたくない…母が父亡きあとの相続を断固拒否!自由奔放な伯父が遺した築75年の「ゴミ屋敷」、親族間の闇に葬られた実家の終末
(※写真はイメージです/PIXTA)

仲が良いのは理想論、没交渉こそがリアル。しかし、他人よりも厄介な存在、それが「兄弟姉妹」かもしれません。特に親世代の強権的な兄の存在は、世代を超えて家族の足枷となることも……。故郷の家を巡る遺産相続は、時に親族間の複雑な感情や過去の確執を浮き彫りにし、想像もつかない事態を引き起こします。フリーライター・高殿円氏の著書、『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)より、手放したくても手放せない、負の遺産と化した実家を巡る人間模様を覗いてみましょう。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

上の伯父の死→父の死→母が相続することになる「あの家」のヤバさ

上の伯父はもう85歳。コロナのあれこれあり、父もそうですが、いつあの世に旅立ってもおかしくありません。もし、伯父が死んだら父があのボロ家を相続することになります。むろんゴミごとです。そして父だっていつ死ぬかわからない。父が死ねば、次は妻である母です。母は言いました。

 

「絶対にあの家だけはもらいたくない」

 

聞けば父は末っ子だったため、祖母は父がかわいくてしかたがなかったらしく、結婚当初は姑としてだいぶいじめられたようです。母は何十年も前の嫁姑問題を当然引きずっており(この場合母は悪くない)、そんないやな思い出のある家を、お金を払ってゴミごともらいたくないというのも当然のこと。

 

しかし、相続のこわいところは、家や“負動産”だけいらないと言えないことです。つまり、その人の財産、父の場合は父の預貯金や遺族年金など、母が受け取る権利ごとあの家ももらい受けるか、それとも預貯金ごと放棄するかの二択なのです。専業主婦期間が長かった母は、父の預貯金を放棄するような金銭的余裕はありません。しかし、それをもらうなら、あれもひきうけなければならない。姑にいじめられた思い出しかない汚い田舎の家を、です。考えてみると割とすごい地獄じゃない?

 

負動産
流通性に乏しく、売るに売れない不動産を自虐的に表す言葉。かつ、管理の維
持費や固定資産税の負担など、所有間に一定の負担を強いられる。

 

しかし、母は動きません。母はそういう人です。父に言い、父が「兄貴に言ったがなんもしてくれん」と“なんもしない”のを見て、「お父さんに言ったけどあの人はなんもせん」と愚痴だけ言って“なんもしない”人です。

 

出所:高殿円著『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)
[図表2]進まない祖父の屋敷売却 出所:高殿円著『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)

 

”なんもしない”母の代わりに家売却に着手

ひととおり社会を見てきて、私が思うに、即断即決即行動できない人間ほど、あとで数百倍めんどくさい思いをします。なぜなら行動には必ず経験が伴う。たとえ銀行株を100株購入して、その株が決算またぎ失敗して大きく下がっても、「なるほど決算をまたぐのはこういうリスクがあるのだな」という経験は残ります。そして次は同じ失敗をしないようになる。行動にともなう失敗は、言い換えれば失敗ではなく経験であり、つまり行動することにデメリットはほとんどないのです。もちろん、戦争や犯罪はだめですが。

 

なんですけど、めんどくさい案件を後回しにしても、経験は残りません。なにもしなくても状況は悪化していきます。そしてその状況を人のせいにしてその場をやりすごす。なるほどなあ。と私は思いましたよ。こうして世の中はまわっているのだ、と。

 

「とりあえず、私がやるわ」

 

呆れ半々、哀れみ半々。そんなことを母に伝え、私が祖父の家売却に着手したのは、2020年ごろのことです。コロナでいつ誰が死ぬかわからない。みんな同じように息苦しさを感じていたまさに渦中でした。

 

 

高殿円

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

本連載は、高殿円氏の著書、『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)から一部を抜粋し、実家じまいの実情について詳しくご紹介します。

私の実家が売れません!

私の実家が売れません!

高殿 円

エクスナレッジ

郊外築75年、大量のガラクタ、恐怖の再建築不可物件……。 残された実家は超問題だらけ!! 笑いと涙、前代未聞の実家じまい本! 維持費に相続手続き、片付けに親族問題、税金対策に売却まで、 いま話題の”実家じまい”…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録