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上の伯父の死→父の死→母が相続することになる「あの家」のヤバさ
上の伯父はもう85歳。コロナのあれこれあり、父もそうですが、いつあの世に旅立ってもおかしくありません。もし、伯父が死んだら父があのボロ家を相続することになります。むろんゴミごとです。そして父だっていつ死ぬかわからない。父が死ねば、次は妻である母です。母は言いました。
「絶対にあの家だけはもらいたくない」
聞けば父は末っ子だったため、祖母は父がかわいくてしかたがなかったらしく、結婚当初は姑としてだいぶいじめられたようです。母は何十年も前の嫁姑問題を当然引きずっており(この場合母は悪くない)、そんないやな思い出のある家を、お金を払ってゴミごともらいたくないというのも当然のこと。
しかし、相続のこわいところは、家や“負動産”だけいらないと言えないことです。つまり、その人の財産、父の場合は父の預貯金や遺族年金など、母が受け取る権利ごとあの家ももらい受けるか、それとも預貯金ごと放棄するかの二択なのです。専業主婦期間が長かった母は、父の預貯金を放棄するような金銭的余裕はありません。しかし、それをもらうなら、あれもひきうけなければならない。姑にいじめられた思い出しかない汚い田舎の家を、です。考えてみると割とすごい地獄じゃない?
流通性に乏しく、売るに売れない不動産を自虐的に表す言葉。かつ、管理の維
持費や固定資産税の負担など、所有間に一定の負担を強いられる。
しかし、母は動きません。母はそういう人です。父に言い、父が「兄貴に言ったがなんもしてくれん」と“なんもしない”のを見て、「お父さんに言ったけどあの人はなんもせん」と愚痴だけ言って“なんもしない”人です。
”なんもしない”母の代わりに家売却に着手
ひととおり社会を見てきて、私が思うに、即断即決即行動できない人間ほど、あとで数百倍めんどくさい思いをします。なぜなら行動には必ず経験が伴う。たとえ銀行株を100株購入して、その株が決算またぎ失敗して大きく下がっても、「なるほど決算をまたぐのはこういうリスクがあるのだな」という経験は残ります。そして次は同じ失敗をしないようになる。行動にともなう失敗は、言い換えれば失敗ではなく経験であり、つまり行動することにデメリットはほとんどないのです。もちろん、戦争や犯罪はだめですが。
なんですけど、めんどくさい案件を後回しにしても、経験は残りません。なにもしなくても状況は悪化していきます。そしてその状況を人のせいにしてその場をやりすごす。なるほどなあ。と私は思いましたよ。こうして世の中はまわっているのだ、と。
「とりあえず、私がやるわ」
呆れ半々、哀れみ半々。そんなことを母に伝え、私が祖父の家売却に着手したのは、2020年ごろのことです。コロナでいつ誰が死ぬかわからない。みんな同じように息苦しさを感じていたまさに渦中でした。
高殿円
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