米ドル「売られすぎ」ながら、米景気への懸念が強く反発も限定的か…今週の予想レンジは〈144~150円〉【国際金融アナリストが解説】

4月8日~4月14日の「FX投資戦略」ポイント

米ドル「売られすぎ」ながら、米景気への懸念が強く反発も限定的か…今週の予想レンジは〈144~150円〉【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

米の相互関税の発表から、一時144円まで下落した米ドル/円。1日で5円以上の暴落となり、投機筋のポジションも米ドル売り・円買いに大きく傾きました。米ドルの下落や金利低下の流れが変わるポイントは米景気だといいます。CPIなどインフレ指標の発表も控えている今週、米ドル/円はどう推移するでしょうか。マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が詳しく解説します。

今週の注目点…米景気への懸念が強く米ドルの反発限られそう

今週はCPI(消費者物価指数)などインフレ指標の発表が予定されています。これらを受けて、米経済がスタグフレーションを懸念されるような結果に向かっているのか否かを見極めることが当面における最大の焦点になりそうです。

 

ところで、投機筋のポジションは大きく米ドル売り・円買いに傾斜した状況が続いているようです(図表5参照)。それは、米景気および世界景気への懸念が強い割には意外に米ドル/円が下げ渋ることになったり、何かのきっかけで行き過ぎた米ドル売り・円買いの反動が入れば米ドル高・円安への戻りを後押ししたりする要因でしょう。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表5]CFTC統計の投機筋の円ポジション(2005年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

ただこれまで見てきたように、米景気や世界景気への懸念が根強いなかでは、米国株や米金利の反発は基本的には限られる状況が続きそうですから、そうであれば米ドル/円の反発にもおのずと限度があるのではないでしょうか。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は144~150円で予想します。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

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