今週の注目点…米景気への懸念が強く米ドルの反発限られそう
今週はCPI(消費者物価指数)などインフレ指標の発表が予定されています。これらを受けて、米経済がスタグフレーションを懸念されるような結果に向かっているのか否かを見極めることが当面における最大の焦点になりそうです。
ところで、投機筋のポジションは大きく米ドル売り・円買いに傾斜した状況が続いているようです(図表5参照)。それは、米景気および世界景気への懸念が強い割には意外に米ドル/円が下げ渋ることになったり、何かのきっかけで行き過ぎた米ドル売り・円買いの反動が入れば米ドル高・円安への戻りを後押ししたりする要因でしょう。
ただこれまで見てきたように、米景気や世界景気への懸念が根強いなかでは、米国株や米金利の反発は基本的には限られる状況が続きそうですから、そうであれば米ドル/円の反発にもおのずと限度があるのではないでしょうか。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は144~150円で予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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