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相続で受け継いだ株式で思わぬ落とし穴
60歳のAさんは先月に90歳で父親を亡くし、遺産の相続整理を淡々と進めてきました。90歳と高齢で、近ごろは衰弱が目にみえていたため、覚悟ができていたせいかもしれません。
生前に実家の土地と建物は売却していたので、遺産は現金3,000万円のほかに保険、保有していた株式のみでした。相続人はAさんの1人でしたので、特に分割などの煩わしさはなく、スムーズに手続きを行うことができていました。
ただ、相続した株式については、どうすればよいか悩みます。Aさんは投資に関する知識があまりなかったので、株式をそのまま保有すべきか売却すべきか、なかなか判断がつきませんでした。
最終的に、自分が亡くなったときに子供になるべく面倒な手間はかけさせたくないという思いと、知識がないなかで保有し続けることに不安を感じたため、売却して現金化しました。そこで問題が1つ生じてしまいます。それは確定申告です。
株式や債券などの有価証券には売却時に譲渡益に対して税金がかかります。有価証券は一般口座や特定口座、NISA口座などの口座区分があります。
特定口座で保有されていた商品について売却時にかかる譲渡益税は、証券会社などの購入先の金融機関で確認できます。また、源泉徴収を行う設定をしていれば、売却時に税金分を20.315%が自動的に差し引かれたうえで資金を受け取るので、特に自分で手続きする必要はありません。
一方で一般口座の場合は対応が異なります。相続した株式などは被相続人の保有していた口座区分で相続しますので、一般口座で保有していた場合は、そのまま一般口座で引き継ぐことになります。一般口座の場合は源泉徴収されないので、譲渡益が発生した場合は自分で確定申告を行う必要があります。
譲渡益の計算は売却時の株価から、取得時の株価および取得費用(手数料など)を確認する必要があります。取得時の株価は被相続人(この場合は父親)が取得したときの価格をそのまま引き継ぐというルールになっています。
被相続人が特定口座で購入していれば、購入した金融機関で確認することが可能です。しかしこの取得価格を調べるのが困難な場合もあります。Aさんの父親は一般口座で保有していました。そのため、売却益が発生するとAさんは確定申告で納税する必要があります。
しかし、証券会社からの資料では、取得価格がわからず損益状況が正確にわかりませんでした。実はAさんが相続した株はAさんの父親もその親から相続されていて、かつ別の証券会社で保有していたものを移管してきたことがわかったのです。そのため購入当時の取得価格がわからない状態でした。
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