連帯保証人は「辞退」できないの?
親族や知人に頼まれ、やむなく連帯保証人になってしまったものの、あとになって「連帯保証人を辞めたい」と考えるケースは多いです。
しかし先述したように、原則として一度連帯保証人になってしまうと辞めることはできません。
債権者の立場に立つと、主債務者がなんらかの事情によって債務の支払いができなくなった場合でも、連帯保証人がいることによって、確実に支払いを受けることができるような仕組みです。それにもかかわらず、連帯保証人の意向によって一方的に辞めることが可能となると、担保としての機能が意味をなさなくなってしまいます。
そのため、連帯保証人を辞めるにあたっては、銀行の同意が必要です。
銀行としては、借金の担保として連帯保証人をつけています。したがって、現在の連帯保証人が辞める場合、同等かそれ以上の担保の提供があれば、辞めることができる可能性があるでしょう。
具体的には、別の連帯保証人を見つける、不動産などを担保にして提供するなどの方法が考えられます。
また、主債務者の協力が得られるのであれば、別の銀行で借金の借り換えをしてもらい、そのタイミングで連帯保証人を外してもらうといった交渉を行う方法も考えられます。
連帯保証人になってくれとお願いされたら…“理論的な回避策”
「連帯保証人には絶対なるな」と聞いたことがある人も多いと思いますが、お付き合いの都合上、お願いされるケースもあるでしょう。
筆者の知り合いも、今回のAさんのようにお人よしでいい人だったのですが、連帯保証人を深く考えずに引き受けてしまった結果、自己破産し、その影響で家族関係も破綻、離婚するハメになってしまいました。
このように、実際、連帯保証人になったことにより人生が大きく狂わされるケースが少なくありません。
したがって、もしも「連帯保証人になってくれ」とお願いされたら、まずは
・賃貸物件の連帯保証人であれば保証会社に依頼する
・銀行からの借入であれば信用保証協会に依頼する
など、連帯保証人ではなく、別の方法を検討するよう伝えましょう。
宮路 幸人
宮路幸人税理士事務所
税理士/CFP
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