妻の金銭感覚によって最悪の事態へ
さらに事態を悪化させたのが、妻の好恵さんの金銭感覚です。
好恵さんは、現役時代の孝さんの収入が1,000万円を超えたころから、ブランド物の服を身につけたり、食材も高級スーパーで購入したりとお金の使い方が変わってきました。
デパートの外商がつくようになったのもこの頃で、一層デパートでの買い物が増えるようになりました。もともと裕福な家庭で育った好恵さんにとって、それが贅沢と感じることはなかったのです。
家計管理は好恵さんの役割で、孝さんが現役で働いている間は贅沢をしていても家計に問題はありませんでした。しかし、孝さんが年金受給者になってからは、そんな贅沢は長く続きません。
なぜなら孝さんの企業年金(月額10万円)がもらえるのは孝さんが75歳まで。それ以降は夫婦合わせて約24万円の年金額に下がります。
そして好恵さんは危機に陥ってしまったのです。
妻の告白に仰天…キャッシング地獄に陥ったワケ
孝さんの77歳の喜寿も近づいたある日、好恵さんから相談があると言われた孝さん。どうしたんだと聞くと、借金が払えないとのこと。
「借金?」と耳を疑う孝さん。事情を聞くと、年金収入が下がってからは毎月赤字になることが多く、好恵さんは複数のクレジットカードのキャッシングを利用して補填していたのです。
キャッシング枠は限界に近くなり、返済もできずにいたため延滞金も加わる事態に。催促状をみると借金額は200万円を超えています。
「なぜ勝手にそんなことをしたんだ」と問い詰めると、「買い物がどうしてもやめられなくて。お金がないときに取れる手段としてネットで検索したら、キャッシングが紹介されていたから」との答え。
孝さん夫婦は生活費の口座と貯金の口座は分けており、旅行や孫のために利用するお金は貯蓄口座から支払い、生活費の口座には年金収入が振り込まれるようにしていました。
さらに75歳以降は年金額が下がることもあり、貯蓄口座から毎月5万円を生活費の口座に入れるようにしていました。同時に好恵さんは生活費の口座に、結婚前から持っていた唯一の自分の貯金300万円のうち200万円を入れ、余裕を持たせるようにしておいたのです。
しかし、クレジットカードの引き落とし口座は生活費の口座だったため、好恵さんがデパートを利用することで、口座の金額が足りなくなっていきました。
好恵さんはそのことを孝さんに言えずにいましたが、返済が進まないことへの不安がピークに達し、とうとう告白をしたのでした。
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