離婚時、夫婦の資産はどうなる?
「一人でどうやって暮らしていくっていうんだ? 金もないのに暮らせるわけないだろう」
つい声を荒らげた中山さんでしたが、妻は離婚を視野に、パートから社員へのステップアップを模索。70代になっても働ける仕事をしっかりと見つけていました。
一人で暮らすアパートも既に決めており、子ども2人も妻の援助をするといいます。家にお金を入れるだけでそれ以上のことをしなかった中山さんを、静かに見限っていたのです。
気付かぬうちに孤立無援状態になっていた中山さん。それから数日して、弁護士から離婚協議に関する書類が届き、妻が完全に本気だということが分かったのです。
財産分割においては、婚姻期間中に夫婦が築いた財産が対象となります。婚姻期間中に築いた財産には退職金も含まれ、預貯金などの財産も一般的に50%までが分割の対象。夫の厚生年金も離婚時には50%まで分割できることになっています。
妻の要求は、家族で暮らしていたマンションの売却価値と預金から計算して1,800万円。加えて、夫婦で収めた厚生年金の分割も求めてきました。あまりに大きな金額に中山さんは抗議したものの、それでも上限での請求ではないと聞き、泣く泣く要求を飲むことにしました。
こうして離婚が成立しましたが、失ったお金の大きさに中山さんはさらに追い詰められていきます。
