妻を亡くした佐藤さんを悩ます、孤独感や不安感
73歳の佐藤義和さん(仮名)は5年前に妻を亡くしました。死因は脳溢血で、あまりに突然の別れでした。
漠然と、妻の方が長生きするだろうと思っていた佐藤さん。家事全般を任せるなど、妻頼みの生活をしていたことに気づいたのは、妻がいなくなってからでした。
サポートしてくれたのは、近くに住む長男の直哉さん(37歳)とその妻です。家事を妻に任せっきりだった佐藤さんを心配し、仕事で多忙な中でも頻繁に家を訪れ、あれやこれやとフォロー。なんとか一人暮らしが成り立つようにしてくれたのでした。
それから5年。生活はなんとかなっていますが、70代になってから身体の衰えを自覚するようになり、孤独感や不安感に苛まれるようになりました。
そんな時、直哉さんからこんな報告を受けました。
「父さん、俺もとうとう家を買うことにしたよ。新築だと予算オーバーで中古マンションだけどね。引っ越したら遊びに来てよ」
それを聞いた佐藤さんは、密かに考えていたことを提案しました。
「それなら一緒に暮らさないか?」
