日本の電機産業の競争力は劇的に低下。なぜ海外進出は〈競争力低下〉と〈国内生産尻すぼみ〉を招く“諸刃の剣”となったのか【経済学者が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)
日本経済の有識者である大守隆氏・増島稔氏の手によって、両氏を含む12名の専門家たちの論考が編集された『日本経済読本(第23版)』(東洋経済新報社)では「経済を理解するには、歴史、制度、事実、理論の各面を組み合わせて理解することがとても重要である。(引用元:同書はしがきより、執筆者 : 大守隆(元内閣府政策参与)」と言及されています。本記事では本書から一部抜粋・再編集し、日本企業の海外進出と競争力の低下について歴史、制度、事実、理論の各面から解説します。
デジタル時代における企業の競争力
これに対し、アメリカ企業はグローバル化やデジタル化の流れに巧みに対応し、競争力を向上させている。単純な生産・組立などはアジア企業などに委託しつつも、ソフトウェア開発、ブランディングは自国で行うなど、戦略的な分業体制を確立するとともに、顧客行動のデータ分析、幅広い業種との連携などを通じ、強力なエコシステムを形成し、GAFAMなどと呼ばれる企業はデジタルプラットフォーマーとして世界的に市場支配力を高めている。
また、アジア地域の企業もIT、自動車などで競争力を高めている。グローバル化やデジタル化が進展する中、製造業とサービス業の融合など、ビジネスのあり方が世界的に大きく変化している。日本経済が持続的な成長を実現していく観点からは、国内拠点がより高い付加価値を生み出す場所へと進化していくことが重要である。
執筆者:横山 直
政策研究大学院大学教授
編者:大守 隆
元内閣府政策参与
編者:増島 稔
SBI金融経済研究所研究主幹・滋賀大学特任教授
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元内閣府政策参与
1951年横浜に生まれる。1974年東京大学工学部卒業。同年経済企画庁(現内閣府)に入る。日本経済研究センター主任研究員、大阪大学教授、経済企画庁内国調査第一課長、内閣府経済社会総合研究所次長、外資系証券チーフエコノミスト、APEC経済委員会議長、東京都市大学環境情報学部教授、科学技術振興機構社会技術研究開発センター領域総括(多世代領域)等を歴任。英国オックスフォード大学経済学博士。
著書に『環境とエネルギーの経済学』(東洋経済新報社、2016年)、『ソーシャル・キャピタルと経済』(ミネルヴァ書房、2018年、編著)などがある。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
SBI金融経済研究所研究主幹
滋賀大学特任教授
1964年生まれ。
1986年東京大学経済学部卒業。同年経済企画庁(現内閣府)に入る。外務省審議官(経済局、国際協力局担当)、内閣府政策統括官(経済財政分析担当)、内閣府経済社会総合研究所長等を歴任。現在、SBI金融経済研究所研究主幹・チーフエコノミスト、滋賀大学データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター特任教授。米国ノースウェスタン大学M.A.、埼玉大学博士(経済学)。
著書に、『アベノミクスの真価』(中央経済社、2018年、共編著)、論文に「最近の経済構造変化が景気変動にもたらしている影響」(『経済分析』第208号)などがある。
著者プロフィール詳細
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※本連載は、大守隆氏、増島稔氏の編書『日本経済読本(第23版)』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。