人的資本蓄積と賃金カーブ
労働者の技能の形成は、学校教育を通じて行われ、さらに職に就いてからのトレーニングを通じて行われる。労働市場で働いてきた経験年数に応じて、技能が蓄積されていくため、一般に経験年数と賃金の間には右上がりの関係(賃金カーブ)がみられる。
経済理論に基づけば、労働者は、将来のことをより重視する若年期に人的資本投資により時間をかけるが、投資による収益を回収できる期間が短くなる中高年期には、人的資本を蓄積するペースが遅くなると考えられる。
また、年齢を重ねて人的資本の蓄積が進むに伴い、賃金も高まるため投資の機会費用が上がり、人的資本投資に時間を使わなくなる。こうしたことが、賃金カーブは右上がりであるが、傾き(上がり方)は経験年数とともに緩やかになる要因と考えられている。
執筆者:上野 有子
一橋大学大学院経済学研究科教授
編者:大守 隆
元内閣府政策参与
編者:増島 稔
SBI金融経済研究所研究主幹・滋賀大学特任教授
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