「海外直接投資の増加」が不動産市場の成長を後押し
不動産市場の成長を支えるもう一つの重要な要素が、海外直接投資(FDI)の増加である。
ベトナムでは近年、FDIが大幅に増加しており、昨年の不動産分野への登録投資額は63億米ドルに達した。これは総投資額の16.5%を占め、前年比35%以上の伸びを記録している。
この資金のうち、新規投資額は37億米ドルを超え、シンガポール、日本、韓国、米国、EUからの投資が大きな割合を占めている。専門家は、ベトナムの堅調な経済成長と、東南アジアの製造拠点としての戦略的な位置付けが投資の増加を促していると分析する。
また、不動産分野のM&A(合併・買収)市場も活発化しており、ベトナムは昨年、東南アジアでインドネシアに次いで2番目に高いM&A成長率を記録した。特に不動産分野は主力部門となっており、前年比46%の成長を見せた。
ベトナム不動産仲介協会(VARS)によると、昨年は13件の主要M&A案件が合計18億米ドルを超え、国内外の大手企業が関与した。
インフラ整備と投資環境の改善
インフラ整備も不動産市場の成長に不可欠な要素である。
政府は交通および都市インフラの大規模な投資を推進しており、各地域の接続性とアクセス向上が進められている。これにより、不動産投資先としての魅力が高まっている。
さらに、ベトナムの投資環境はますます良好になっている。政府は外国資本を誘致するため、税制優遇措置や簡素化された事業登録手続きなど、投資家にとって有利な政策を推進している。
市場アナリストは、こうした要因の相乗効果により、特にホーチミン市やハノイといった大都市を中心に、住宅および商業用不動産の需要が増加すると予測する。
残る課題……債務問題や規制の整備が鍵
ただし、市場が順調に成長する一方で、いくつかの課題も残っている。
企業の社債債務の圧力、土地紛争、規制の不整合、そして世界経済の動向などが、市場の回復ペースに影響を及ぼす可能性がある。
世界最大級の商業用不動産サービスおよび投資顧問会社の現地法人、CBRE ベトナムの住宅マーケティング部門ディレクター、ヴォ・フイン・タン・キエット氏は「不動産市場が2018年・2019年の活況を取り戻すには、まだ時間を要する」と指摘している。
しかし、政府の施策が着実に進めば、市場の安定化と成長の持続性は一層高まると期待されている。
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