雨戸を閉めても被害に遭う危険性は変わらない
高齢者だけが住む一戸建て住宅は振り込め詐欺のターゲットになりやすいともいわれています。「高齢者だけが住む家」としてマークされた一戸建て住宅ならば、当然狙われます。
雨戸を閉め切っていても、電話や訪問で詐欺師は家の中に入り込んできます。波平とフネのところにも一度、銀行員を装った人物が訪問し、口座番号を聞き出そうとしたことがありました。
マンションの安全性
こうしたリスクを考えると、より一層、一戸建て住宅は「安心な暮らし」を提供するものとはいえません。
マンションのような集合住宅では、防犯設備が整っているケースが多く、オートロックや監視カメラの設置が標準化されています。また、マンションでは住民同士の目が自然と防犯効果を発揮し、空き巣や侵入窃盗のリスクが低くなる傾向があります。
波平とフネも、一度マンションの見学に出かけた際、こうした防犯体制に驚きを覚えました。フネは「こんなに安全なら、雨戸を閉め切る必要もないわね。」と感心し、波平も「自分たちの状況を考えると、マンションの方が安心かもしれないな。」と漏らしています。
家じまいを考えるきっかけに
磯野家にとって一戸建て住宅は、思い出が詰まった大切な場所です。しかし、老後の生活において本当に重要なのは「快適さ」や「安心感」です。
一戸建て住宅を維持することが、生活の質や安全を損なう原因となるのであれば、家じまいをしてマンションなどの防犯体制が整った住居に移ることは、十分に現実的な選択肢といえるでしょう。
長谷川裕雅
永田町法律税務事務所代表
終活コンサルタント
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