知らなかった…防犯のために「雨戸を閉め切る」のは逆効果?一戸建てに潜む思わぬリスクとは【終活コンサルタントが解説】

知らなかった…防犯のために「雨戸を閉め切る」のは逆効果?一戸建てに潜む思わぬリスクとは【終活コンサルタントが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「家じまい」における1つの選択肢に、広い一戸建てからマンションへの住み替えがあります。実は、マンション暮らしには高齢者が被害に遭う危険性を下げる効果もあります。本記事では、終活コンサルタントの長谷川裕雅氏の著書『磯野家の家じまい』(リベラル社)より一部を抜粋・再編集して、多くの方に親しまれている「磯野家」をモデルケースに、一戸建て住宅に潜むさまざまなリスクについて解説します。

雨戸を閉めても被害に遭う危険性は変わらない

高齢者だけが住む一戸建て住宅は振り込め詐欺のターゲットになりやすいともいわれています。「高齢者だけが住む家」としてマークされた一戸建て住宅ならば、当然狙われます。

 

雨戸を閉め切っていても、電話や訪問で詐欺師は家の中に入り込んできます。波平とフネのところにも一度、銀行員を装った人物が訪問し、口座番号を聞き出そうとしたことがありました。

 

マンションの安全性

こうしたリスクを考えると、より一層、一戸建て住宅は「安心な暮らし」を提供するものとはいえません。

 

マンションのような集合住宅では、防犯設備が整っているケースが多く、オートロックや監視カメラの設置が標準化されています。また、マンションでは住民同士の目が自然と防犯効果を発揮し、空き巣や侵入窃盗のリスクが低くなる傾向があります。

 

波平とフネも、一度マンションの見学に出かけた際、こうした防犯体制に驚きを覚えました。フネは「こんなに安全なら、雨戸を閉め切る必要もないわね。」と感心し、波平も「自分たちの状況を考えると、マンションの方が安心かもしれないな。」と漏らしています。

 

家じまいを考えるきっかけに

磯野家にとって一戸建て住宅は、思い出が詰まった大切な場所です。しかし、老後の生活において本当に重要なのは「快適さ」や「安心感」です。

 

一戸建て住宅を維持することが、生活の質や安全を損なう原因となるのであれば、家じまいをしてマンションなどの防犯体制が整った住居に移ることは、十分に現実的な選択肢といえるでしょう。

 

 

長谷川裕雅

永田町法律税務事務所代表

終活コンサルタント

 

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※本連載は長谷川裕雅氏の著書『磯野家の家じまい』(リベラル社)より一部を抜粋・再編集したものです。

磯野家の家じまい

磯野家の家じまい

長谷川 裕雅

リベラル社

令和時代となりますます進む少子高齢化。 世は 8掛け社会に突入し、昭和であれば「世田谷の一軒家」は誰もが羨むものであったが、令和の現代では老いた親が住み、後継もなく、ほとほと困り果てたものに。 本書では、国民的作…

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