知らなかった…防犯のために「雨戸を閉め切る」のは逆効果?一戸建てに潜む思わぬリスクとは【終活コンサルタントが解説】

知らなかった…防犯のために「雨戸を閉め切る」のは逆効果?一戸建てに潜む思わぬリスクとは【終活コンサルタントが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「家じまい」における1つの選択肢に、広い一戸建てからマンションへの住み替えがあります。実は、マンション暮らしには高齢者が被害に遭う危険性を下げる効果もあります。本記事では、終活コンサルタントの長谷川裕雅氏の著書『磯野家の家じまい』(リベラル社)より一部を抜粋・再編集して、多くの方に親しまれている「磯野家」をモデルケースに、一戸建て住宅に潜むさまざまなリスクについて解説します。

詐欺や強盗が怖いので雨戸を閉め切ると…一戸建ての思わぬリスク

 

波平とフネが住む一戸建て住宅では、防犯のために雨戸を閉め切る生活が習慣となりつつあります。

 

一戸建て住宅はマンションにくらべ、侵入経路が多く、侵入窃盗犯にとっては格好のターゲットです。

 

ニュースで報じられるような高齢者を狙った詐欺や侵入窃盗の被害が増える中、波平は「何かあってからでは遅い」と、留守中はもちろん在宅中でも雨戸を閉めることを徹底しています。

 

しかし、この対策が新たなリスクを生んでいることに気づきませんでした。

 

雨戸を閉め切るリスク

雨戸を閉め切る生活は、防犯上の安心感を得る一方で、家の中の生活環境を悪化させる要因にもなります。

 

特に夏場には、換気不足から室温が急上昇し、熱中症の危険が高まります。

 

近年、熱中症による高齢者の死亡例が増加しており、その多くが「閉め切った家」の中で発生しています。波平とフネも、雨戸を閉め切って過ごしている日が多く、フネが「最近家の中にいて頭がぼーっとする」と訴えたことがありました。後に医師から軽度の熱中症だったと指摘され、大きなショックを受けました。

 

また、雨戸を閉めることで室内が暗くなり、生活動線が見えにくくなります。その結果、小さな段差でつまずいたり、家具に足をぶつけたりと、転倒事故のリスクも高まります。

 

こうした状況が重なると、「安全のための対策」がかえって生活の質を低下させてしまいます。

 

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※本連載は長谷川裕雅氏の著書『磯野家の家じまい』(リベラル社)より一部を抜粋・再編集したものです。

磯野家の家じまい

磯野家の家じまい

長谷川 裕雅

リベラル社

令和時代となりますます進む少子高齢化。 世は 8掛け社会に突入し、昭和であれば「世田谷の一軒家」は誰もが羨むものであったが、令和の現代では老いた親が住み、後継もなく、ほとほと困り果てたものに。 本書では、国民的作…

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