イササカ先生の引っ越し後、次々起きた予期せぬ問題
磯野家にとって隣人であり長年の友人でもあったイササカ先生一家が、ついに家じまいを決意し引っ越しました。
理由はシンプルで、「老後を考えて便利なマンションに移り住む」というものでした。イササカ先生は、「この家を維持するのが難しくなってきた。息子や娘たちも家を出てしまい、この広い家は私たちだけでは持て余してしまう。」と、波平に語っていました。
しかし、イササカ先生の引っ越し後、磯野家の近所では予期せぬ問題が次々と発生しました。
空き家となったイササカ家にしばらく買い手がつかず、庭木が伸び放題になったことで、害虫が大量発生。さらにその空き家が不法投棄物の置き場となり、ゴミが積み上がっていく事態に。
波平は管理会社に苦情を申し入れましたが「現在のところ具体的な対応の予定はありません。」と冷たく返されるだけでした。
そして、新しい住人が入居すると、別のトラブルが生じました。新たな住人は若いカップルで、夜遅くまで友人たちと集まり、パーティーを開くことがしばしばありました。
その騒音に耐えかねた波平が直接注意をしに行ったところ「昔の常識を押し付けないでください。」と反論され、玄関先で激しい口論に発展しました。
波平はショックを受け「もうこの地域も変わってしまったのか。」と落胆するばかりでした。また庭先で焚き火をしていた波平も、若い住人たちから「煙が臭い」「洗濯物が干せない」と苦情を受けることがありました。
お互いの価値観や生活スタイルの違いから、小さな摩擦が次第に大きなトラブルへと発展するのを防ぐことは、難しくなっていました。
こうしたトラブルをきっかけに、波平とフネは今後の住まいについて再検討を始めました。
子どもたちが独立し、周囲の環境が変わりつつある中で、「この家で老後を迎えることが本当に最適なのか」と考えるようになったのです。
ご近所トラブルをどう受け止めるべきか
ご近所との関係は、良い時は非常に助けになる反面、一度悪化すると住み続けることそのものがストレスとなります。磯野家のように長年住み続けた家でも、周囲の環境や住民の変化により生活の質が低下してしまうことは珍しくありません。
波平とフネにとって、この家は多くの思い出が詰まった特別な場所です。しかし、その思い出だけでは現在の課題に対応することはできません。
ご近所トラブルの解決は地域全体の課題であり、個人で対応しきれない場合には住み替えなどの選択肢を検討することも、老後の生活をより快適にするための重要な一歩です。
長谷川裕雅
永田町法律税務事務所代表
終活コンサルタント
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